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「それ持っててー」
「…これは?」
持たされた袋を見下ろして問うと、五条は明るい声で答える。喜久福。因みに僕のおすすめはずんだ生クリーム味。
この人は人に任務を押し付けてお土産を買ってきたのか。明らかに呆れた顔の伏黒。
「お土産じゃないよ。半分は帰りの新幹線で僕が食べるんだから。まぁ、半分はAにあげるけど」
「…Aさん、帰ったんですか」
「さっき任務終わったって。僕たちが帰る頃には着くんじゃないかな?」
だから早く終わらせるよ。
「あ!」
「?」
大きい声に首を傾げる。知り合いなのかな。顔を見ると多分高校生。でも私服だし、顔に見覚えはない。私の顔で疑問を読み取ったのか彼はまた口を開いた。
「髪、五条先生と同じ色してるしお姉ちゃんが五条先生が言ってた妹さんだよな!?」
そこで漸く理解ができ、軽く頷いた。この子はお兄ちゃんの生徒なんだ。しかし一年は恵とまだ来てない女の子で二人だと聞いたから編入生かな。
「丁度会ったようだねー」
「先生!」
「こっちは僕の可愛い妹」
「五条Aです。気軽に呼んで」
「そしてこっちが宿儺の器のー」
虎杖悠仁でーす!元気な挨拶はいいが凄く気にかかる言葉があった為、お兄ちゃんに視線を送る。
「宿儺の器ってどういうこと?」
「あれ、A、聞いてないの?」
「…聞いてないよ」
確かに任務で宿儺の指を回収すると仙台に行ったはず。なのに器ってどういうことなんだ。一人で考えたって答は出ないのでお兄ちゃんを急かした。
「彼、悠二は宿儺の指を食っちゃったのさ」
「…マジ?」
マジ。お兄ちゃんの声と虎杖くんの声が重なる。一体どんなことがあったらあれを、特級呪物を食べることになるの?疑いと驚きしかない。でもこんなことに嘘を吐く理由もない。
納得はしたけど、大丈夫なのか。一回だけみた宿儺の指を思い出す。一本の指から感じられる生々しい呪いの気配。あんなのを食う気になるなんて私には到底無理だ。
「そんなことだから、もし僕がいない時にはよろしくね」
「…いいけど」
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作者名:みゃん | 作成日時:2023年2月7日 22時