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「Aちゃん、何見てるの?」
気配もなく寄ってきたミカが携帯の画面を覗いては目を丸くした。Aちゃんカナエくんともうそんな仲に!ミカ、声が大きいよ…。勢いよく叫んだ所為でクラスの視線が一斉に刺さる。慌てながらミカの口を手で塞いだ。
「ミカが思ってるような仲じゃないよ」
「じゃなに?」
「その…、しゅ、趣味が合っただけだから」
あの後、カナエくんとメールのやり取りをすることになった。だがそこに恋色なんて一色もない。時々相談に乗ってくれたり私の質問にカナエくんは答えてくれてるだけ。何せ今の所、呪いの話が出来る人がカナエくんしかいないのだ。
それでもまあ、友達くらいにはなれたんじゃないかな。カナエくんもそう思ってくれたらの話だけど。
*
「Aさん、こっち!」
手を振っているカナエくんを見つけたサトルが舌を打つ。最初に比べれば大分打ち解けてはいるが相変わらず気に食わない模様だ。踵を返そうとするサトルを宥めながらカナエくんの前の席に座る。
「呪術師って忙しくはない?」
「僕はまだ3級だからそんなに忙しくはないんだ。任せられるのも殆ど簡単な任務だよ」
等級もあるんだ。公務員みたいな感じなのかな。私が思ってることを察したカナエくんがふわりと笑い説明してくれた。
一番高いのが特級で下は4級まで。呪いもまた同じ等級を付けていると。ただ呪術師は同級の呪いを祓えるので等級が同じだったら呪術師の方がもっと上らしい。
武器に例えての強さも教えてくれたが正直イマイチだ。銃や戦車や例えるものが現実味がなさ過ぎる。私とは別世界の話だと改めて思った。
「僕も特級呪霊に会うまではそう思った」
「カナエくんは特級呪霊に会ったことあるの?」
カナエくんが曖昧な笑みを浮かべる。その視線の先にはサトルがいた。
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作者名:みゃん | 作成日時:2022年9月12日 14時