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＊
「じゃ、気になる人は？」
サトルとピッタリ目が合って急いで目を逸らした。何でこんな時に…。何とも言えない妙な気持ちになり、首を勢い良く振る。
「…そういうミカこそ、好きな人いるの？」
「うん、いるよ」
「そうかそうか、ミカもいな…え？いるの？！」
頬を赤らめたミカが頷く。正に恋する乙女。しかも相手は幼馴染みだとかなんとか。王道の少女漫画かよ。何か眩しくて直視出来ないや。
「それでお願いがあるんだけど…今度一緒に会ってくれない？」
「その幼馴染みくんと？」
「うん…実は週末に一緒に出掛けることにしたんだけどね」
二人だけだと緊張するので私も一緒に来てくれないかとのことで、別に用事とかもないし行く分にはいいけど…。
「私、邪魔にならない？」
「いいの！向こうも友達呼ぶらしいし全然大丈夫！Aちゃん、彼氏いないからいい機会になると思うよ！」
さっきの質問はこの為だったのか。恋愛に興味がある訳じゃないけど確かにこれはいい機会だ。最近、私の友人関係の狭さに心配し始めてる父の顔を思い浮かべながら頷く。
「分かった、行くよ」
『は？』
キレたサトルなんて、ミカには見えない訳で彼女は元気良く携帯を取り出し連絡を入れている。自然な流れで矢先は私に向かい、本当に行くのかよともう耳がうるさい。
「会うだけだし大丈夫でしょ」
何も起こらないって。ミカには聞こえないくらい小さく呟く。それでも腑に落ちない顔をしているサトル。
全く見かけによらず心配性だな。
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作者名：みゃん | 作成日時：2022年9月12日 14時
