【歌い手】本当にお前らにあえて良かった。【能力パロ】【学パロ】【番外編】 (ページ7)

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君の神様になりたかった(北条兄弟)。● ページ7

※カンザキイオリさんの君の神様になりたい。パロ。
※中学生Aと魔王になってる聖の話。

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A(中学生)side.

＿＿兄さんは私の事をいつも守ってくれた。

最強能力保持者を守るのは法律として決まってはいるけれど。それ以上に私は"妹"として大切に扱ってくれていた。だから思っていたんだ。

＿＿私は何をすることができるだろうか、と。

N「？神様になりたい？」
≪うん。私より完璧な兄さんを私が救うにはそれくらいしかできない。≫
N「……お前の能力でも？……もしかして今出陣してるから？」

直の言葉にそっと頷く。そこまで気にしなくていいと思うだろう。でも彼らに知らない過去の話をするわけにはいかない私はそこで黙り込んでしまった。何かを察したのか直は私の背中を叩く。

≪いきなり何≫
N「心配すんの分かるけど。そこでお前が落ち込んでちゃアイツらも落ち込むやろが！いつか俺らを引っ張っていかんとあかんの分かっとるやろ。」
T「……」
N「あんさんの悩んでる事、あーしにはわからんけど……そんでもあんさんがどうにかしたいって気持ちは分かるねん。」

＿＿でも、あーしらは神さんにはなれんのよ。
その直の言葉に衝撃を受けた。普段なら冗談でも真剣にもそういう事を信じる直ならなれるなんて馬鹿みたいな事を言ってくれると簡単に信じ込んでいた。

N「……それなら音楽やるか？」
≪突然何……本当にお前今日どうしたんだよ。≫
N「ッ～あ～～！なんていうか！あーしも悩んでんのや！でも悩んどるだけでも無駄やろ？だからとりあえずストレス発散してそん後考えようや！一旦リセットや！」
≪お～？≫
N「……それに。」

直が少し切れながら図書室から出て行こうとする。私もそれに追いつくように貸し出していた本を誰もいないカウンターに乗せて追いかける。その時扉の前で止まった直を見て私も止まった。
＿＿直を見ると窓から受ける逆光の影響で明るくなって今にも消えそうだった。

N「"音楽なら、あん人らにも届くやろ"。」
≪そうだね。≫

意見は最もで、私も納得の一言だった。私が悩んでいるときに毎度毎度音楽に誘うのは直だった。そして直は私の"唯一の太陽"だった。
＿＿私は無力だ。……お前を救う事が出来ないけど、それでもお前に頼ってていいか。

N「A～！はよ行くで！」
T「……」

どうか無事でいてくれと祈るしかない無力な私を許してくれ、兄さん。