【twst】 TIME OVER -第一節-【逆トリップ】【男夢主】 (ページ41)

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命に嫌われている/カンザキイオリさんより

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＿＿死にたいなんて言うなよ、諦めないで生きろよ。……そんな歌が正しいなんて馬鹿らしいよな。

結局俺は死んでも良いと思っている。でも他の人は生きて欲しいと思うようになった。矛盾し過ぎているが俺はこれを"エゴ"と言うと思っている。

＿＿僕らは命に嫌われている。価値観もエゴも押し付けていつも誰かを〇したい歌を簡単に電波で流した。

けど俺は他人の命まではそこまで思わない。というより皆そうだろう。嫌うのも別に気にしていない。どんな季節でもどんな時間でもいつかは枯れて塵になる。ここはそんな世界だ。

それでも俺らはそれに抗うように生きている。それでいい。でも永遠なんてないから生きた証を置いて消えていく。俺の先祖も他の先祖もそうしてきた事だろう。

でも生きた証拠を子供を産むだけなんかで終わらせてたまるか。世界中に名前を轟かせて皆に知ってもらいたい。……今まではこんなこと思ってなかった。

＿＿生きて、生きて、生きて、生きろ……

俺等には生きる権利がある。それだけで幸せだと思っていたのに……
人間も俺も欲張りになったもんだなぁ、と他人事のように思う。

「……先輩って歌上手いですよね。」
『だから言ってんじゃねぇか。音楽で食っていくって。』
「でも……何だろ、独特な声っていうか。」

だから多分すぐに分かると思います。と笑うユウ。
独特な声って……もう少しましな褒め方無かったのか……？

『失礼だなぁ……』
「先輩……好きな数字って何です？」
『突然すぎるんだけど。10かな。』←
「あ、答えてくれるんですね。」

いや、お前から言ったんじゃんとユウを小突く。

「でも何でですか？」
『……陸上自衛隊の10番隊が音楽隊だから。』←
「え？そうなんですか！？」
『冗談を真に受けんな。"切りがいいから"だよ。』
「あー、確かに。」

10が一番切りがいい中で一番少ないですしね、とユウは納得したらしい。ホント10て切りいいよな……

『さて、そろそろ帰るか。送ってく。』
「はい！」

そう言って俺等は部室から出た。