【twst】 TIME OVER -第一節-【逆トリップ】【男夢主】 (ページ30)

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頂点に立つ者としての威厳～レオナ編～ページ30

Aside.

痛い……無理し過ぎたか。
体の色々な所が痛む。

『こりゃあ、リユに怒られるな……』

そう思いながらもベンに勝てた余韻がまだ消えない。

ｶﾞﾁｬ……

『おやおや、そちらにはノックをする文化が無いのかい？レオナ。』
レ「はっ、俺の寮には戸なんてねえよ。」
『それとこれとは話が別なような気がするけど……』

そう難癖を付けながらも俺はルイボスティーを淹れてレオナの前に置く。

『で、今回はチェスの相手かい？』
レ「……お前は何かを達成する為にやり方を問わずにやることが出来るか？」

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Leona side.

俺は目の前に居る此奴の事がハッキリ言って嫌いだった。
兄貴に似ているようで気に食わなかった。

だが今日の模擬戦をみて印象が変わった。此奴は自分が欲しい物を得ようとする度に自分を容赦なく傷つけている。だからこそ気になった。

『……それはゲーム内の話か？人生の話か？』

突然ワンオクターブ程下がった低音と殺気を放ってくる。
成程な、だから使用人が震えあがったのか。

レ「さぁな。」
『……俺はゲームをする際も人生を歩んでる際も悪い事をしてないかと言われたら多分してるって答えるだろうな。』
レ「……は？」

ははは、どうした、意表を突かれた顔をしてるぞ？、とAは笑う。

『俺は自分の命を犠牲にしてまで守れる奴は限られてるって理解はしているし、全員が幸せになって欲しいなんて綺麗事なんて言えねえよ。』

だって、幸せになる為に傷つける奴だっているし、と笑う。
……あぁ、此奴は軽い気持ちで国民の命を背負ってるんじゃないんだなと改めて感じる。

『だけど俺の行動で他の人が幸せになれるならそれはそれでいいと思う。』
レ「……」
『今まで歩んできた道が正しいかなんて分からない。ってか決める奴なんて居なくていいんだ。』

そう言ってAは立ち上がり、窓を開ける。
すると閉じこもっていた空気が抜け、新しい空気が入り込む。

『俺は“一番上に立つのならその威厳を見せつけられるまで努力する”ってのが大事だと思って生きてるんだ。』

威厳……か。

『俺等は自分が生きてた人生が自身を持って“幸せ”と言えるまで歩き続けて選択し続ける。』
レ「……それが何だっていうんだ。」
『……なぁ、君は死んだ後の事考えたことあるかい？』
レ「地獄やら天国やらのところか？」

違うよ、とAは目を伏せる。

『“自分が居なくなった時の生きていた世界について”さ。』