【twst】 TIME OVER -第一節-【逆トリップ】【男夢主】 (ページ29)

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敗北チグリーン！！📚 ページ29

ユウside.

訓練場から二人が出てくる。

I「ねぇええ！！あれはずるいってぇぇえ！！」
『残念ながらルールの範囲内だ。』
I「あ”あ”あ”！！」

……いつも通りだ。前の2つをベン先輩が勝ち取り、A先輩が最後の実践訓練のみ勝つ。総合的には勝つのだが、負けず嫌いのベン先輩が号泣する。毎回総合では勝っていると励ますのだが今回は違う。どうしようと慌てているとA先輩がベン先輩に話しかける。

『この程度で泣かれちゃ困る。』
I「だってぇえ！！」
『っはー……お前、泣くの“大事な人が亡くなった時”だけにしろ。』

そう言ってベン先輩の顔を無理矢理上げる。そして、汚い手で目掻くな！腫れるだろうが！と涙を拭く。

『これは練習だ。本番上手く出来りゃあいい。無理して全部勝たなくていい。』
I「う、う、うん、」
『負けて泣いてそれで終わりか？そんなんで強くなれるわけねぇ。ちゃんと泣いてちゃんと悔しがってちゃんと強くなる努力しろや。』
I「……そうやな。……おう！泣いてばっかじゃ始まんねえもんな！」

泣くのはもう止め止め！とベン先輩が言う。

I「てかあれどうやってやったんだ？カカシが撃ってるみたいなやつ。」
『あぁ、あれ？落とし穴作ったワイヤーと同じのにセットして火付けて発射する奴だよ。落とし穴
が出来る摩擦で火がついて発射される。』

静電気で困ってる時に思いついた奴だ、と笑う。

自〇行為だと思われた火付けは逆におびき寄せる罠で、罠に罠を仕掛けて念入りに仕組んだ。
完全にA先輩の作戦勝ちだ。

『おい、ユウ。俺が負けると思っていたらしいじゃねぇか。』
「え、お、お、お、思ってませんよ！？」
『それで隠せてると思ってんのが可笑しいよ。』

A先輩がこちらに近づいてくる。あああ！やらかした！！そう思っていた。
ポン、と頭に何か乗せられる。……先輩の手だ。

「え、せ、んぱ…？」
『心配かけたな。あいつ等から聞いた。』
「そ、そうですよ！！なんであんな事したんですか！！火だけは本物なんですよ！！なのに、なのに！！」

違う、こういう事が言いたいんじゃない。こんなことを言うために止まって貰ったんじゃ……

『……心配してくれてありがとうな。……俺は嬉しかった。』
「ひっぐ、えっぐ、うぐ……」
『泣くな、顔が汚くなるぞ。』
「せ、先輩の、せ、です、！」

そんな事言うから先輩は好かれるんだよ、バカ。
でも不器用で優しい先輩が私は好きなんだ。