One ball Concertric. "0" (ページ4)

今日:7 hit、昨日:45 hit、合計:7,378 hit

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No.side

_ホームラン含む5打点、素晴らしい活躍でしたね！！

_今大会大注目を集めていた大谷選手との対決どう振り返りますか？

_甲子園史上初の女性選手としての試合はどう考えますか？

次々と矢継ぎ早に飛んでくる質問をスラスラと当たり障りなく応えていく有栖川Aの姿は高校生とは思えない程落ち着いていた。
彼女自身、取材を受けることも注目されることも酷く嫌ってはいたがそれを表に出さないのは自分に向けられているマイナスな矢印をチームに持ち込まない為でもあった。

まだ10代の女の子。
背負うには重すぎる何かを平然と背負い込み、毅然としている彼女の姿を"普通では無い"と気がつく者はそう多くはなかった。

未来の二刀流、そんな人物を除いて。

大谷は自身とはまるで違いながらもどこか似て非なるものを有栖川に感じていた。だが、同い年とは思えないほど落ち着いていて、悪く言えばどこか冷めきったような目をする有栖川が印象的だった。

試合中に見せていた姿とは全く違う、
対戦相手に向けるあのギラついた目を忘れる訳はなかった。

それはまさに青天の霹靂。
偶然の出会いが互いを引き寄せるかの如く、初めての対戦は恐らくふたりの記憶から一生消えることの無いほど深く残った。

己の力を最大限引き出し、
その上で絶対に負けたくないと錯覚させた相手。

相対したあの時間が一生の様に、一瞬の様に消えて残った。

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その事実に誰よりも早く気が付いていたのは有栖川Aの隣に立って戦う仲間たちであった。まるでリミッターが外れたのか、あれ以来全ての試合で神がかった様な活躍を魅せる。自分たちもそれに感化させられ、同じように普段以上の力を発揮出来た。

日々進化するチームは勝ち続け、
春の選抜優勝を果たし次なる目標を春夏連覇とした。

"常勝"

"最強"

見据える先にあるものは以前、勝つことだけであった。

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