ほんの少し ページ6
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そんな思い出話、思い返すだけでいろんなエピソード蘇ってくる、今日だけでは思い出せきれないくらい辛い思い出もあった、けど。
ってもう21時だ、夜ご飯も食べてない、適当に白米に納豆かけてミニトマト洗って食べよ。
[明日、19時に日本橋]
オーナーさんからの連絡。明日は海外とか全国色んな地から有名なデザイナーさんたちが集まる、大規模な展示会兼パーティーがある。
ウチのブランドの主なデザイナーさんも参加するみたいで、正社員の私たちも招かれた。
まあ、少しは期待しちゃうよね。
玲於くん来るかな、って
ん〜、ドレスコードとか特にないんだけど、スリット入りのロングスカートに薄いノースリーブのシャツ。こんな感じでいいか、
クローゼットに明日着て行く服を適当にかけてコーディネートした。
ドラマ見ながら夜ご飯食べて、さっさとお風呂入って、寝る前は...その時の身に任せよ
あ、明日パーティーだしまだ今月余裕あるし、美容院行ってネイル変えてもらってから行こうかな、仕事オフだし。ホットペッパーは本当便利、秒で予約した。
はあ...気がつけば玲於くんとの写真見てたよ、また、これフィルムで撮ったんだっけ、
お昼休みふたりでお弁当食べたんだよね、玲於くんママが作れない時はわたしが作ってたんだよね、具材が2倍になるだけだし、玲於くん美味しい美味しいってら言ってくれるから、全然苦じゃない。
で、もれなく梅干しは入れる。
お弁当食べてる時に、玲於くん頭、わたしの肩にもたれかかってきたの、不意打ち。
「なに、どうしたの急に(笑)」
「別に、なんか良いよな、こういうの」
「うん、好きだよ」
「え?」
「この時間、好き」
「びびんじゃんか(笑)」
「なんで?」
「そうやってさ、好きとかいうから」
「わたし、玲於くんのこと好きだよ」
「ふーん、俺も好きだけどさ」
もっと重心かけてくる玲於くんの頭は重い。
そのまま玲於くんの髪をくしゃくしゃ撫でる。
正式に告白したとかじゃなくて、毎日こんなことしてる、ずっとずっと。どんな " 好き " かもお互い知らないまま。
その後、屋上を燦々と照らす太陽に向かって伸びをする玲於くん、軽くクランプ、踊ってる。
「ねえ、こっち向いてよ」
わたしはカメラを片手に。
振り向いて顔の前でピースする玲於くん、顔かっこいいんだから隠さなくて良いのに、っていつも思う。今も思う。
青春の一枚、って沢山あるな。
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まめこ(プロフ) - この小説とっても好きなので続きがとっても楽しみです!! (2020年5月31日 22時) (レス) id: 561fa70743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かれん | 作成日時:2020年3月10日 0時