何年越し ページ8
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「...どうかな」
美容院で色々セットしてもらって、大振りのピアスつけてみるってとこ、例のパーティーにこれから参加するの
綺麗にリップ塗り直して
鏡越しに少し口角を上げて笑う
とあるホテルの宴会スペースの貸し切り、ロビーに向かうと同僚のモナが待ってた。
「なに〜、さすがA気合入ってんじゃん」
「モナこそ今日も今日とて美人だよ〜」
てな感じで同時期に入社した同い年で気が合う子。美人でメイク濃いと少し怖く見えるけど、根はとっても優しい子。やっぱり性格は顔に出るってこういう事。
彼女は赤いワンピースを纏っていた。黒髪ぱっつんストレートっていう美人しか似合わないやつ。
「んじゃ、挨拶回っていこうか」
わたしたちは各々ドリンクを頼んで、グラス片手に宴会会場で一通りのお偉いさんに挨拶して行くことになった。
一通り挨拶して周って、あとはもうフリーって感じだったから、他店で働く知り合いの同い年の子たちと喋っていた。
『あの〜お姉さん』
「え?」
突然後ろから声を掛けられた。聞き覚えのある声。なんだか舌足らずで低くて、落ち着くような。
『ほら、やっぱり』
「玲於くん覚えてる?」
『当たり前だし。いや〜、Aっぽい人いると思ったらさ、』
「よく分かったよね、昔からあんなに変わったのに」
『つか、あのオーナーさんのとこで働いてんだ?』
「うん、言ってなかったっけ」
『アパレル系なのは聞いたけど、まさか』
「こんな、ちゃんと喋ったのいつぶり?(笑)」
『昔すぎて分かんねえわ(笑)まあ、元気そうで何よりだけど』
「玲於くんも変わったねえ〜、インスタとか見てるけど」
『いや、Aこそじゃん、こんな髪型してバチバチに化粧してさ』
化粧くらいするよ〜って、Aこんな変わるもんなのか〜って笑う玲於くん。横顔がなんだか懐かしい、急角度すぎるくらいに高い鼻。
「この後、良かったら抜けて飲み直さない?」
って一言を切り出したのは私だった。
『明日朝イチから...でも全然いいけど。久しぶりだし、俺も話したいし』
新作で良いなって思ったものたくさん頼んでしまった...玲於くんこそすごい頼んでる...
お先に失礼しますって同僚や先輩たちに言ったら、
「ほんとにレオさんと仲良いのすごいな〜」
って言うけど、まあ、あれだけ一緒にいたからね
会場から出てタクシーを捕まえる、目的地のバーを伝えてくれたのは玲於くんだった。
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まめこ(プロフ) - この小説とっても好きなので続きがとっても楽しみです!! (2020年5月31日 22時) (レス) id: 561fa70743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かれん | 作成日時:2020年3月10日 0時