一目惚れは悪魔の子《Part2》 ページ2
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「それで……どうだ？俺と付き合ってくれるのか…？」
少し不安そうにそう問いかけてくる彼。
アテナはこの状況を終わらせるための最善策を取る事にした。
「………ょ…よろしくお願い…します……？」
顔が爆発してしまいそうな程、真っ赤になりながら、彼から目線を少し外してそう答えた。
途端に湧き上がる周囲の者達。
担任までもが揃って拍手をしている。
「おお！祝福の拍手か！ありがとう皆の者！」
そう言って笑いながら皆に手を振る彼。
それに対して、アテナは顔を手で隠している。
「あの……………」
「ん？どうした、アテナ」
自然にそう名前で呼ばれ、またもや顔が熱くなってくるが、今はそれどころではない。とりあえず………
「あの……手…そろそろ離して…くれませんか……」
段々と小声になっていく。
そう。彼にずっと手を握られたままであった。
アテナからそう言われ気がついたのか、悪びれもなく
「ああ、悪いな……」
と呟きようやく手を離してくれた。
それと同時にストンと席に着き、机に突っ伏すアテナ。
周囲から多少笑われていたが、そんな事を気にしていられない。
そして、少し時間が経つと先程まで立ち上がり拍手等を送っていた者達は順々と席に着いていった。
アテナに告白してきた彼は、「どうしたアテナ…具合でも悪いのか？」と少しおどおどして聞いてくる。
とてつもなく『貴方のせいですよ！！！！』と叫びたくなるアテナであった。
「………それより…貴方のお名前は？」
少し顔をあげ、机に置いてある両腕に顎を乗せる形で彼に聞いたアテナ。
「ああ、そういえば名乗り忘れていたな！」
そう言って軽く咳払いをする彼。
「俺は黒沢ライラだ。よろしく頼む！」
満面の笑みを浮かべ、手を差し出してくる彼は、不覚にも少し可愛く見えた。
「……黒沢さん…ですね。改めて、フィリウスディ＝アテナです。こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
そう言って机から体を起こし、彼…もといライラが差し出してきた手を、しっかりと握った。
「先程も思っていたが……アテナは手が温かいな。」
軽々とそう言いのけるライラ。またもやアテナの顔が沸騰しそうだ。
「……黒沢さんの手も…温かいですよ…」
そう言った後、手を離し、またもや机に突っ伏してしまうアテナ。
「……………！！」
だが、彼の笑顔はとても嬉しそうだ。
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作者名：流花 | 作者ホームページ：＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
作成日時：2023年7月28日 22時
