一目惚れは悪魔の子 ページ1
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アテナside
皆様、初めまして。私はアテナと申します。
本日から、能力者の方々が集うと噂の学園へ入学いたします。
あ、「転入」の方が正しいですかね?
確か、この学園は昔ながらのカースト制度が未だに残っているのだとか。
下位クラスへの虐めなど、なければ良いのですが……
ここでの生活は、果たしてどのようなものになるのでしょうか……想像しただけで心が躍ります!
そんな事を考えている内、自身のクラスに到着した。
「今日は転入生を紹介するぞ。天人族のフィリウスディ=アテナさんだ。」
途端に、クラスで巻き起こる拍手。ひと段落ついた所で、正しく礼をする。
「初めまして。今日からSクラス2年に転入します、フィリウスディ=アテナです。どうかよろしくお願いいたします。」
そう言って少し微笑むと、複数人からの視線が刺さる。
(うう……何だかやけに視線を集めている気がします…)
それもそのはず。彼女は俗に言う美少女というものだ。
少し気まずそうに、指定された席に着く。
隣を横目で見てみると、左目に眼帯をつけた人がいた。
(目を悪くされているのでしょうか……)
あまりじっくり見るのは失礼だと思い、視線を教卓へ移した。
「………………」
するといきなり、先程アテナが見ていた彼が、ガバッと立ち上がった。
そしてアテナの手を取り、こう言った。
「お前の事が好きだ。是非付き合って欲しい!!」
そう大声で言い放った彼の言動に、周囲はザワつき、
当の本人のアテナは………
顔を真っ赤にして動揺していた。
「えっ……わ…わた…私の事が……すすす好きとは一体…どっ…どう言う事でしょうか……?」
顔から火が出るとは正にこの事。
噛みまくりながら、今の状況をなんとか理解しようとしていた。
「む?そのままの意味だが……アテナ…と言ったか?お前が好きだ!だから付き合って欲しい!」
「ひえ…………」
名前も何も知らない初対面の人からの唐突なクラス内告白により、アテナの羞恥心はMAXに達しかけていた。
担任の先生を見ても、何も言う雰囲気はない。
周りからの混乱と興味の瞳にも、これ以上耐えられそうにない。
中には面白がっている者も見える。
種族や容姿も相まって、男性経験が殆どない彼女にとって、このようなアプローチのされ方は初めてだった。
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作者名:流花 | 作者ホームページ:___________
作成日時:2023年7月28日 22時