【刀剣乱舞】青い瞳の彼は刀剣達と生きる【男主】 (ページ22)

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「そろそろ帰ろうか」

「蒼、大丈夫だったか？」

帰ろうと皆を引き連れる蒼に鶴丸が心配そうに言う。

「馬鹿な男女の問題に主が巻き込まれた事は納得いきません…！」

長谷部も苛立った様子で言う。

「あの男も女の裏の顔に気づかないとはな…」

「それは仕方ないよ」

蒼は薬研に笑いかける。

「”誰かに夢中になっていると、その人のすることは何もかも完全だと思うのです”…ある宗教の言葉で、まあ…恋は盲目って言うからね」

「そう言う事だな」

笑いながら蒼に近づくのは、桜子の所の三日月だ。

「君が…何の用だ？」

鶴丸が蒼の前に立つ。

「そう睨むな。俺は主に代わり謝りに来た」

「僕が謝ってもらう事はありません…それなら先程の男性に」

蒼は頑なに断った。

「深く傷ついていました…謝った所で立ち直れるものではありませんが」

三日月を真っ直ぐ見据える。

「俺の主は子ども過ぎてな…何度も周りを傷付けている」

「何故止めないんだ？」

鶴丸が責める様な口調で言う。

「いつも相手を好きになる、その気持ちは本物だからな…純粋に恋をしているだけ。気持ちが通じ合えば主は気持ちが冷めてしまう…全く、難儀な性格だ」

「それは止めるべきでしょう…いつか彼女が傷つく事になる」

「お主は美しい人間だな…」

不意に三日月が蒼の髪を撫でる。

「神様にそんな事を言われるのは、恐れ多いですね…」

蒼は苦笑いで答える。

しかし、そんな三日月の行動を見ていられない刀が居る。

「三日月、生憎だが蒼は俺のでな。天下五剣だろうと譲る気はないぞ」

鶴丸は三日月の腕を掴み、蒼を自分の胸に引き寄せた。

蒼は困った様に笑うと、

「貴方の様な刀が居るなら彼女は大丈夫だと思います」

「ああ、世話をされるのは好きだったが、幼子の様な主の世話をするのも悪くないな」

三日月は上品に笑うと、ではな、と仲間の元へ戻って行った。

蒼達は本丸への帰路についた。

帰宅すると、短刀達が蒼に飛びついて来たり、大騒ぎだった。