【刀剣乱舞】青い瞳の彼は刀剣達と生きる【男主】 (ページ18)

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今日の本丸はいつもより浮き足立っていた。

主の体調が良いのも一つの理由だろうが、一番の理由は…。

「今日の主さん本物の王子様みたい！」

乱が嬉しそうに言う。

部屋で着替え終えた蒼は、門で一部の刀剣を引き連れていた。

一期が来ているような洋装を身に纏っている蒼は、さながらおとぎ話の王子様の様だ。

たまたま短刀達が読んでいた絵本の王子様と同じ様な服だった為、短刀達はキラキラした目で蒼を見ている。

「光忠が選んでくれたんだよ。大袈裟かなと思うんだけどね」

「たくさんの人が居る場所に行くんだよ？人に見られる事を考えて装いは選ばないとね！」

光忠は満足した様子で頷く。

「だがなあ…」

鶴丸は蒼の姿をジロジロと見て呟く。

「どうしたの鶴さん？」

「わざわざ一期と似た様な装いにしなくても良いだろう！そう言うのを世間では”ぺあるっく”と言うんだ！」

涙目になりながら蒼に縋り付く鶴丸。

「鶴丸殿、仕方ないではありませんか。主殿は和装より洋装が似合うのですから」

一期は鶴丸の傷を抉る様ににこりと笑う。

「ほらほらいち兄も鶴丸の旦那も行くぞ」

「久しぶりの演練、頑張ろうね」

前に演練に行ったのは、光忠が来る前の事で、長谷部と一期、鶴丸が居ない頃で、太刀は一振も居なかった。

レベルも低かった頃で、短刀達は負けて悔しい思いをした。

今日の編成は、歌仙を隊長として、薬研、光忠、長谷部、一期、鶴丸だ。

演練場へ着き、蒼は歌仙と手続きをしに行った。

「あのっ…蒼さんですよね？」

巫女服を着た黒髪の少女が、蒼に声をかけてきた。
彼女は近侍として三日月宗近を連れていた。

蒼は笑顔で少女を見る。

「私、桜子って言います…！演練二度目ですよね？」

「ああ、そうですよ」

蒼が頷くと、桜子は笑顔で蒼の手を取る。

「私の部隊と演練してくれませんか？」

蒼は特に断る理由も無かったので頷く。

「良かったあ…それと、もし私が勝ったら…」

「何してるんだっ！！」

いきなり蒼と桜子の間をある男が割って入り、蒼を突き飛ばした。

蒼はよろけたが、歌仙が受け止め無事だ。

「主、大丈夫かい…？」

「ああ、大した事ないよ」

「まったく…雅じゃないなあっ」

歌仙は苛ついた様子で男を見る。