【刀剣乱舞】青い瞳の彼は刀剣達と生きる【男主】 (ページ17)

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「宗三殿！小夜殿が待っておられますよ？」

「お小夜が…？」

その言葉に僅かに反応する。

「おい…宗三左文字」

「何ですか山姥切」

いきなり山姥切が宗三に歩み寄る。

「卑屈になるのも、面倒くさい性格も…俺だけで良い！黙って付いて来い！帰還だっ！」

怒った様にそう言う山姥切に、宗三だけでなく周りも圧倒された。

部隊が本丸へ帰還すると、宗三は入り口に居る小夜を見つけた。

「お小夜…！」

「兄様…ほんとに兄様なの」

小夜が驚いた表情で宗三に駆け寄る。

「兄様ですよ。お小夜、寂しい思いをさせましたね」

「嬉しいよ。けど…主がとても優しい人だから大丈夫だったよ」

主、と言う言葉に宗三は動きを止める。

「その審神者はどこですか？」

「おい宗三、主に失礼な事はするなよ」

宗三は溜息を吐くと、山姥切を見た。

「審神者の元へ案内してくださいますか」

「ああ…」

宗三は不機嫌そうに審神者の部屋の前に立つ。

「さて…(どの様な人間でしょう…)失礼しますよ」

ゆっくりと襖を開くと、見知った顔ともう一人。

「異人…ですか」

日本人とは思えない容姿に宗三は驚く。

「初めまして、宗三左文字。僕がここの審神者だよ」

蒼は嬉しそうに宗三を座らせる。

「良かったな大将、これで小夜も寂しくねえな」

近侍の薬研が言う。

「貴方、日本の方では無いでしょう。何故、審神者に…」

「やっぱり、異国の人間が主だなんて納得いかないかな」

蒼は笑う。

「君だけじゃないさ。長谷部も初めて会った時、戸惑っていたからね」

「ありゃあ、笑えたよな！次の日から英語の勉強し始めたしな」

「僕が日本語大丈夫だからって言ってるのに、今でもたまに勉強してるみたいだしね」

蒼は苦笑いを浮かべる。

「戸惑ってなどいませんよ…お小夜が認めた方ですし、あの子は小さいですが、聡き子です。あの子が主と認めた貴方を、僕も認めてあげます」

宗三は穏やかに微笑んだ。

「それと…僕を連れて来たからには、江雪兄様も連れて来てくださいね？お小夜の為にも、僕の為にもですよ？」

「ははっ、頑張るよ」

笑って話す彼らを、襖と襖の隙間から小夜がこっそり見ていた。

小夜は少し嬉しそうだったが、それはまた別の話である…。