【刀剣乱舞】青い瞳の彼は刀剣達と生きる【男主】 (ページ16)

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小夜の兄を連れて来る、と言う目的で行く事になった出陣。

普段は1日に一度しか出陣しないのだが、編成部隊が誰も疲れていないし、軽傷もないと言うことで、本日2度目の出陣を行う事になった。

「それで…何故俺が隊長なんだ」

嫌そうな表情の山姥切に、蒼は彼の背中をポンと叩く。

「今の皆は落ち着きがないからね？山姥切が居てくれると助かるんだよ」

「写しの俺を頼るなど…」

「だって山姥切はいつも周りの事を考えてくれるからね」

蒼の笑顔に山姥切は照れた様に、被っていた布を引っ張り自分の顔を隠した。

そして皆は出陣して行った。

「主ー！一緒にこっちでお団子食べるよ？」

「清光、今行くよ」

蒼は本丸に残っている刀達と縁側へ行った。

「主君っ、お茶のお代わりはいかがですか？」

「じゃあ、頂こうかな。ありがとう前田」

「あるじさま！さよのおにいさんがきてくれたら、またここがさわがしくなりますね！」

「どうだろう…兄様は二人とも騒ぐ性格じゃないから」

「楽しみだね、小夜」

蒼はにこりと笑った。

・・・

一方…出陣した者達は。

「敵は片付けたが…刀は居ないな」

山姥切は涼しい顔で言う。

元々練度の高い鶴丸がこの本丸へ来た為、他の刀達は練度を上げる為この一週間頑張った。

それは山姥切も同じで、自分は強くなったと自負していた。

「宗三ー！！居たら出て来てくれ！」

「大声で呼ぶなど、雅じゃないな…」

「宗三殿ー！小夜殿がお待ちですよ！」

「宗三の奴はどこに居るんだ…このままでは主の望みを叶えられない！」

「けどもう結構探したからね、どうしようか」

「別に、今日連れ帰らなくても主も小夜も気にしないと思うぞ…」

山姥切がぼそりと言った。

「そんなに僕を探して…どう言うつもりですか？」

機嫌が悪そうに皆の背後から声をかけたのは、正しく宗三左文字だった。

「宗三左文字！！君を探していたんだ！！」

鶴丸は宗三の肩をがしりと掴む。

「鶴丸国永…貴方が居る本丸に僕が居ないはず無いでしょう」

宗三は冷めた表情で言う。

「一期一振に、ああ…長谷部、貴方も居るんですね」

長谷部を見た瞬間、眉間に皺を寄せる。

「主がお前を待っているんだ！」

「嫌ですよ…僕を待っている審神者など」

この場に居る宗三以外の者達は思った。

ああ、この宗三面倒くさい性格だ、と。