【刀剣乱舞】青い瞳の彼は刀剣達と生きる【男主】 (ページ11)

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一時間程で手続きが終わると、蒼は一人で政府の役人に呼び出され部屋を出て行った。

「お一人で大丈夫でしょうか…？」

一期は心配そうに言う。

「蒼さんの様子を見たところ、どんな用か分かっているようでしたね」

・・・

一人で別室へと行った蒼。

大きな扉を開くと、一人の青年がいた。

顔立ちは整っていて、栗色の髪に緑の瞳を持っている。

(『』の中は英語で喋ってます)

『やあ、待ちくたびれたぞ』

髪をオールバックにきっちりと固めていて、きりっとした瞳は真面目そうだ。

『お久しぶりです。わざわざ来てくださりありがとうございます』

丁寧に頭をさげる蒼に青年は微笑む。

『顔色も…向こうに居た頃よりも良さそうだ』

『はい。皆のお陰です』

蒼はいつもと違い、笑みを浮かべない。

『そんなに緊張しなくても良いだろう…

兄に向かって』

そう言って微笑みながら、蒼の頭を撫でる。

『本日はどの様なご用で？』

『分かっているだろう。父上からそろそろ戻って来いと…』

『それは出来ないと手紙を出したはずです』

蒼は強い口調で言う。

『家の事なら問題無いはずです。元々、僕が居ても変わらないですから』

蒼が溜め息混じりにそう言うと、青年は蒼の右腕を掴んだ。

『お前が居なくなるのは嬉しい。だが…どうしてお前は幸せそうなんだ？』

『それは…彼らが居てくれるからです。一人ではありませんから』

蒼は微笑む。

『お前のそういう所が気に入らない。昔から…』

青年はチッと舌打ちをする。

『とにかく！父上の命令なんだ。早く戻って来ないと家名に傷が付くだろう』

蒼とこの青年は、英国で有名な伯爵家の子息だ。
しかし蒼は…家を好いているとは言えなかった。

『僕はすべき事を見つけたんです』

『まだ分からないのか？父上から嫌われていたお前が父上から必要とされているんだぞ？それを無下にするなど…』

『彼らも僕を必要としてくれます』

蒼はやけに落ち着いて言う。

その瞳は優しく細められていた。

『頭の良いお前なら、優先順位くらい分かるはずだ…』

蒼の腕を握り締めていた力を強める。

蒼はそれを優しく振り払うと、にこりと笑う。

『ええ、分かっていますよ』