【刀剣乱舞】君の命を繋ぐもの【男主】 (ページ4)

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春親は悩んでいた。

周りが過保護過ぎることにだ。

「(僕はそんなに頼りないのかな…)」

本丸の皆は家族の様な存在で、特に燭台切には幼い頃から世話になっていた。

幼い頃から懐いており、今でも大切な存在には変わりないと思っている。

「(けど…友達と遊んだりしたい、寄り道とか)」

学校では会話する友人などは居るが、年頃の子どもの様に家へ行って遊んだり、寄り道したりなどに憧れていた。

家に呼ぶ事は出来ないにしても、中学に上がってから寄り道くらいならと一度だけした事がある。

その時は帰るのが少し遅れ、燭台切に酷く心配されたのだ。

心配された事は、春親も理解している。

心配させた事は素直に謝った。

しかし周りが普通にしている事を自分もできない事が納得いかなかった。

その為、それ以来燭台切とは気不味い状態なのだ。

保護者の多いこの環境で、我が儘にもならず育ったのは良い事だが…皆が構い過ぎて甘え辛くなってしまったのだ。

引き取ってくれた叔父には感謝しており、その為迷惑は掛けたくないと内心思っている。

自分を認めてもらいたい…。

その思いが強かったが、自分がまだまだ弱い事も理解していた。

一日の授業を受け、真っ直ぐ帰路に着く。

政府へと向かうと、顔見知りの役人などと挨拶をする。

「ハル！おかえり」

「叔父さん、ただいま。仕事中？」

和服姿の自分の叔父の後ろには山姥切が居た。

「もう終わって、今から本丸へ戻って出陣だね」

叔父は偶然、春親と会えた事が嬉しかったのかにこにこと笑顔だ。

「一緒に帰ろうか」

「うん」

共にゲートを通り、本丸へと帰還した。

部屋で荷物を降ろし、楽な格好に着替える。

「若君、これから弟達と甘い物を食べるのですが、良ければご一緒にいかがでしょう？」

一期一振が笑顔で誘う。

「一期…うん」

一期も過保護な刀剣だが、適度な距離で心配してくれるので春親は楽だった。

「(やっぱりお兄ちゃんなんだなあ…)」

さすがは多くの弟が居る兄だ。