【刀剣乱舞】君の命を繋ぐもの【男主】 (ページ18)

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翌日、学校へ行く春親を和泉は見送った。

仕事部屋へ行き、机に項垂れる。

「はぁ…今日は大変そうだね」

「どうしてハルに言わなかったんだ？心の準備というものがあるだろう」

「そうなんだけどね…」

春親と和泉は今日、親戚が集まる和泉の実家へ行くのだ。

春親が前に行ったのは、ここへ来る前の事で春親の両親が亡くなって直ぐの事だった。

春親にとっては、気持ちの整理が付いていない時の事で、良い思い出は無い。

「審神者関係の家だからさ、僕の仕事の状況とかも調べれば分かるみたいで仕事に余裕がある時を狙って呼ばれたんだよ…今まで上手く断ってたんだけどね」

「ハルは大丈夫なのか？」

「親戚とは言え、数える程しか会った事ない他人と会うのだからね…落ち着いた子だけど、人見知りだから心配だよ」

和泉の机にはここへ来る前、春親の両親と春親、自分の四人で撮った写真が飾られていた。

その写真の中の自分は、審神者になる前の学生の頃だ。

春親もあどけない笑顔で母親に抱かれていた。

その写真の隣は、本丸へ来てしばらくしてから撮った写真で初期の頃から居た刀剣達と和泉、そして燭台切の傍で笑顔を取り戻しつつある春親が写っていた。

「主はハルの保護者なんだ。あいつを守ってやれるのはあんたの役目だろう」

「そうだね、山姥切もよろしく頼むよ？」

和泉はにこりと笑った。

仕事をスムーズに終わらせて、出陣も夕方までには終わらせるとスーツに着替えた。

「実家へ行くのにまた畏まった格好だな？」

玄関先で見送りに来た鶴丸が言う。

「礼儀には厳しい家柄なんだよ、身内と言えどね」

「帰りは遅くなるのかな？夕食はどうするんだい？」

燭台切が聞く。

「そこまで遅くならないだろうけど…まだ分からないから、食べて来るよ」

一部の刀剣に見送られ、和泉は山姥切と共に政府へ行き春親と合流した。

「ハル…おかえり」

「ただいま、スーツなんて珍しいね」

不思議そうな顔の春親に、苦笑いを浮かべる。

「今から実家へ行くんだよ、覚えているかな…昔行ったんだけど」

「少しだけ…ちゃんと覚えてるわけじゃないけどね」

春親は特に気にする様子も無かった。