【刀剣乱舞】君の命を繋ぐもの【男主】 (ページ16)

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朝食を済ませ、鶴丸達の出陣を見送る。

春親は出陣や遠征を見送る時、いつも物悲しい気持ちになる…。

自分とは違い、皆はとても強い。

分かっていても見送る事に良い思いはしなかった。

普通の子であれば、休日は友人や家族と出かけるのだろうが春親はそんな事は滅多に無い。

叔父と現世へ数回出かけた事があるくらいだ。

春親は庭を歩いて畑へと行った。

「小夜、僕も手伝って良い？」

「うん…収穫をしてくれる？」

小夜は歌仙と共に畑当番をしていた。

「ハル、学校の勉強で分からない所があれば言うんだよ？」

歌仙がホースで作物に水をやりながら言う。

幼い頃から春親は、文字の読み書き、物語について歌仙から教えを受けていた。

歌仙は主直々に甥の教育を任せられ、張り切って様々な事を教えた。

身の回りの世話は燭台切、教育に関しては歌仙、他の刀剣達も春親にとって様々な存在なのだ。

「あ、理数系に関しては長谷部や薬研に聞いておくれ、僕は文系だからね」

歌仙は苦笑いで言う。

長谷部は春親からいつ何を聞かれても答えられる様に、日々春親が学校で習う範囲の先を予習している。

薬研も理科に関しては、春親の教科書を春親よりも早くに読み終えている。

分からない事があれば、長谷部に聞きに行く事が多い。

些細な質問でも嬉しそうに、丁寧に教えてくれる長谷部の姿が春親は大好きだ。

薬研に聞きに行くと、話がどんどん広がっていき春親自身も興味が湧き話が尽きる事がなくなる。

いつも一期に止められるのだった。

「歌仙が教えてくれたから、古文は問題ないよ。歌仙の話がとても面白いからね」

「君がそんな風に思ってくれて嬉しいよ。幼い頃から雅さの何たるかを教えて来た甲斐があったね」

歌仙は嬉しそうに微笑む。

春親にとってここの刀剣達は、家族であり兄弟であり師でもあった…。