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昨夜は粟田口の部屋で眠った春親だが、今夜はと言うと…。
「何はともあれ、またハルと眠る事ができて嬉しいな？」
鶴丸が笑顔で言う。
燭台切に誘われて伊達の部屋で眠る事になったのだ。
「一人で寝る事も増えたしね…」
春親は眠そうに言う。
「ハル君は早く誘っておかないと、一人で直ぐに寝ちゃうから」
「寝付きが良いのは良い事だ…」
大倶利伽羅が柔らかい声で言う。
春親は久しぶりに燭台切と共に眠った。
幼い頃よりも成長した気になって居たが、やはり燭台切は大きいと実感した…。
「(落ち着くんだろうなあ…)」
燭台切の手が頭に触れるのを感じながら眠りに着いた。
「もう寝たか？」
鶴丸が燭台切の腕の間を覗き込む。
「寝顔…昔から変わらず可愛いよね」
「お前にとっては全部が可愛いんだろ」
大倶利伽羅の言葉に燭台切は照れた様に笑う。
「(君の成長は嬉しいけど…あまりにも早すぎるよね)」
燭台切はせめて今だけは守ってあげたいと言う思いと共に、春親をギュッと抱きしめた。
翌朝、春親が目を覚ますと朝食当番の燭台切は居なかった。
直ぐ側には鶴丸が居てまだ眠って居た。
大倶利伽羅も隣で眠って居る。
「つる…さん、朝から出陣だよ」
昨日お風呂に入る時聞いたのを思い出す。
「ハル…もう起きたのか？」
寝起きの良い鶴丸は直ぐに目を覚ます。
「起こしてくれて助かったな」
鶴丸は身仕度を始める。
春親はぼーっとそれを見つめながら起き上がる。
自分も身仕度を始めようと洗面所へ向かう。
「おやおや、早起きだね」
「髭切…」
髭切は数年前に来た刀剣で、春親とは幼い頃から居たわけでは無い。
弟の膝丸の方が先に来ていて、春親はよく膝丸と髭切の話をしていた。
古くから居る刀剣と比べると、人見知りな春親にとっては接しにくい相手ではあったが、髭切は春親に対して遠慮なく話しかける。
髭切曰く…一年程春親の事を短刀か何かだと思っていたらしい。
「また背が伸びたかい？」
春親の頭に手を置く。
「成長してるからね」
「磨りあげられて短くなるのは居るけど…いつか太刀くらいまで長くなるのかな」
人の子の成長する様が不思議なのか会う度に確認される。
「できれば、太刀くらいにはなりたいよ？」
燭台切や和泉守までは無理でも、鶴丸や一期くらいにはなりたいと思っている。
「兄者、ハルは人間なのだから磨りあげられる事は無いぞ」
膝丸が呆れた様子でやって来た。
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作者名：結桜 | 作成日時：2018年1月26日 22時
