【刀剣乱舞】君の命を繋ぐもの【男主】 (ページ14)

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「それで、ハルを引き取ってからも納得できない親戚からの手紙が来ていたんだ。諦めてくれた人も居るけど、最近になってまた来たんだよ」

「今まで通りあしらっておけば良いのではないか」

「それがね…ハルも中学生になっただろう？直接会ってあの子と話をしたいと言う人が居てね」

困った様に溜息を吐く。

「会うくらいなら良いんじゃないか？」

「まあ、ね…」

「あんたはハルが、その会った事もない親戚を選ぶと思っているのか？」

山姥切の問いに答える事は無い。

「俺から見ても、あんたは良くやってる…」

「その言葉は嬉しいね」

「幸いここには家族が多く居る。俺も含めてな」

何より大切な子の幸せを思い、笑っていられるようにと願う…。

叔父、和泉自身はこの家に生まれて審神者になった事に後悔は無い。

しかし、物心着く頃から審神者になる事を当たり前とされた自分の様に、甥の将来の選択肢を無くしたくはなかったのだ。

親戚の誰かに引き取られる事になれば、審神者としての力を期待され、自由など無くなってしまう。

実際自分もそうだった…。

「(姉さんには感謝しているよ…)」

高校を卒業して大学へ行きたかった和泉は直ぐに審神者になる事に反対した。

弟の代わりに姉は仕事をしながら審神者になった。

そのお陰で大学へ行く事を許されたのだ。

春親には本丸で、現世の子とは少し違う生活をさせている。

ここが好きだと言ってくれるのが何よりの救いだと思うのだ。

「自由にさせてあげたいけど…守りたいって言う親心だよね」

反抗期なんて来たら、立ち直れないと思いながら毎日を過ごす。

最近までの燭台切に少し同情するのだった。