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-----恨んだらだめだよ、忠義はほんまに君のこと好きなんだから
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僕が僕にそう言い聞かせていく。
SDカードの復旧をしなかったのは幸せな頃の僕を見るのが死ぬほど嫌だった。
そろそろ見て自分の動きを決めなきゃあかんって思ってパンドラの箱SDカードを開いたら思った通り……真逆の僕がいて息苦しかった。
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なんでコイツは幸せなん?
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全部見て速攻たたき割った
間違っていた?
全て僕の行動が間違っていた?
そう言い聞かせるように言う僕が許せなかった。
「隆平、どうした?」
背中に触れた手が暖かいのは知っている。
「何でもないです、ゆうちんは寝た方がええ。」
「寝るけどな……隆平の身体が冷え切っている。」
「いつもの事ですから。低体温なんですって僕。」
小さく笑って言うけど、ゆうちんはそんなウソを見破っていて背中から抱きしめ額が肩に触れた。
「なにを考えてるん?」
「次の事。」
「隆平……」
「事故は嘘で固めたものでしたってうちの上層部に密告文書作りながら、株でもうけを出そうかな。」
「危険や。一番に疑わるのは隆平やん。」
「僕がダミーで実際に動くのは章ちゃんやシゲちゃんですから会社も油断するでしょうね。」
「なんでそこまで?」
ゆうちんの言葉に僕は小さく笑って答える。
「簡単です、共通にムカつくことがあったから僕らは3人でずっと動いているんです。」
理解なんて求めてないし、簡単に言えば僕の頭はいかれている事も分かっている。ゆうちんをベッドに押し倒してから僕は言う。
「ゆうちんは昌行さんの行動を教えてくれたらそれでいいですから。」
「それは……いくらでも教える。だから……そんな危険な行動は止めてや。」
「大丈夫ですって。」
触れた唇
この人は生きているって僕に伝わる
僕は生きていない
いい事なんて今まで……なかった
あったのは…………地獄……
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瀬奈(プロフ) - 8七色8様コメントありがとうございます。お返事が遅くなりすいません。自分でも初めてのこの手の作品で苦戦しながら書き終えました。褒めて頂けて嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年3月19日 11時) (レス) id: d24f83f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - 深夜に初コメント失礼致します。凄くスリルもあってあっという間に読んでしまいました。あっという間なのに読み応えがすごくあって最後これからは幸せが待っているのかな?と心がほっこりしてしまいました。素敵な作品に出会いました。 (2020年2月22日 1時) (レス) id: fa7d72189f (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - 抹茶クレープ様 コメントありがとうございます。自分の書きたい作品ばかりですが好きと言っていただき感謝です。これからも読んでいただける作品を書いて行けるように・・・がんばります。本当にありがとうございます。 (2020年2月12日 16時) (レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶クレープ(プロフ) - 長くなってしまいすみません、、、 (2020年2月11日 22時) (レス) id: 693ce8b609 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶クレープ(プロフ) - 完結おめでとうございます!私は瀬奈さんの作品が大好きです!毎日更新されるのが楽しみで仕方ありませんでした!これからも瀬奈さんの書きたい作品を描き続けてください!わたしはどんな作品でもすべてよみます!本当に瀬奈さんの小説が好きです!! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 693ce8b609 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2020年1月17日 16時