74 ページ24
.
相変わらずスマホを眺めながら北山は口を尖らしているのはやっぱりアニメの探偵を見過ぎてんやなってマジに思う。外壁の壁は結構高くてこんなの倒れてきたら……えぐいなってマジに思う。
振り向いた時に見える眩い光と対照的にここは酷く寂しい。
こんなところで事故に遭ったなんて……昼間だったらもう少し人通りは多いんじゃないか？
なんでこんな場所通ったんだ？
そもそも裏道とおる必要もないよな、本店がそこなら直で大通り行けるし何ら不都合もないだろうし。
「北山？」
黙ってスマホを見つめたままの北山に声をかける。
「どうした？」
「今……高校の同級生からメッセージ来て。」
「あぁ、なんかあった？」
「友達に言われて俺……思い出したんです。」
俺は黙って北山を見つめる。
「丸山さん……俺……知っています。」
「は？」
北山は連絡来た友達のメッセージを俺に見せた。
.
銜えていた煙草が落ちてコンクリートを転がっていく。
------あの事故ってうちの高校の先輩だって有名な話でしょ？
-----名前？覚えてない？あの人…………
.
昔は頻繁に行っていたバーに顔を出して目的の人を見つけて隣に座った。むっちゃ驚いた顔で俺を見て彼は優しく笑ってくれた。
「なんや、タツか。久しぶりやな。」
「信ちゃんも相手さんと上手くいってます？」
なんてそんな疑問を投げかけると左右に首を振った。
「え？やて上手く……」
「なかなか思うようには行かないんよね。最近別れた。」
意外な言葉に俺は兄ちゃんが置くグラスを手に取って数回頷く。
「たつは何してる？」
「え？」
「店辞めたの聞いたで？ケーキ買いに行ったら微妙に味が変わっていて質問したんよ。」
結構疎いと思ったら、しっかり分かっているんだな。
「オヤジの会社に。」
「戻らないって言うてたのに、結局か？」
「それ言うのナシね。」
なんて笑って言うと信ちゃんは煙草を灰皿に押しつぶしてから俺を見て言う。
「用件は何や？」
この人はほんまに俺の事を分かっているって感じる。この店に来たのも自分に会いに来て何かを聞くためだって言うのも俺を見て分るんだから。
「信ちゃんに弟はおらん？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬奈(プロフ) - 8七色8様コメントありがとうございます。お返事が遅くなりすいません。自分でも初めてのこの手の作品で苦戦しながら書き終えました。褒めて頂けて嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年3月19日 11時) (
レス) id: d24f83f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - 深夜に初コメント失礼致します。凄くスリルもあってあっという間に読んでしまいました。あっという間なのに読み応えがすごくあって最後これからは幸せが待っているのかな？と心がほっこりしてしまいました。素敵な作品に出会いました。 (2020年2月22日 1時) (レス) id: fa7d72189f (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - 抹茶クレープ様 コメントありがとうございます。自分の書きたい作品ばかりですが好きと言っていただき感謝です。これからも読んでいただける作品を書いて行けるように・・・がんばります。本当にありがとうございます。 (2020年2月12日 16時) (レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶クレープ(プロフ) - 長くなってしまいすみません、、、 (2020年2月11日 22時) (レス) id: 693ce8b609 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶クレープ(プロフ) - 完結おめでとうございます！私は瀬奈さんの作品が大好きです！毎日更新されるのが楽しみで仕方ありませんでした！これからも瀬奈さんの書きたい作品を描き続けてください！わたしはどんな作品でもすべてよみます！本当に瀬奈さんの小説が好きです！！ (2020年2月11日 22時) (レス) id: 693ce8b609 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年1月17日 16時
