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僕は泣きそうな顔でたつくんを見てしまう。

お互いで祈りをしてどれくらい時間経過したか分からへん。お互い顔を見合わせてから僕から言葉をかけた。

「神様に届いたかな。」

「届いたと思う。りゅうちゃんの念は凄そうやし、強力パワーな感じやし。」

「凄いで、僕の念。」

「オカン……大丈夫だよね。」

たつくんの消えそうな声

僕は何もできへんけどたつくんに手を握って「大丈夫。」そう言うしか出来へんかった。

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翌週、僕は大きな検査のせいで、たつくんに会う事が出来なかった。

オカンが代わりに会ってくれて、いつも通りお手紙の交換をした。

――――クレープを渡したら大喜びだったわよ。

良かった。

なんて思いながらたつくんのお手紙を読む。

【梅雨の時期になるね。雨の日は苦手だけど、アジサイの花が綺麗に咲いているから。雨がやまないといけないから楽しみ少し先かなぁ。次に会う時は何の話をしようか考えておかなきゃ。】

その言葉が嬉しくて僕は次に会う時は庭園でアジサイを見る約束をしたいな……そう考えていた。

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いつも来る日にたつくんは来なかった。

時間があったから教会に行って、たつくんのお母さんの事を神様に祈った。

次の来る日も来なかった。

何かあったんかな……

僕はいつもの場所に来たけど連絡の術も分からないし、分かっているのはたつくんと言う名前とお母さんが８階の病棟にいると言う事だけしか分からへん。何気なく、オカンに話をしたら小さく考えて
から言うたん。

――――何かあったのかもしれないね

ズバッと言うオカンがこの言い方をすると言う事は考えたくないことが起きたのかもしれへん。亡くなった後は……患者の身内は病院に来ることはほぼないのも分かっておる。長くいればいるほどそん
な残念な状況に遭遇したこともあったから分かっておるけど、お祈りは……なんて悲しくなる。

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