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自動湯沸かし器のボタンを押してから僕が部屋に戻るとたつくんは小さなため息をしていた。
どんな意味？
僕は怖くて聞くことなんてできない。
定位置的な場所に座ってから視線を向かいに座っている人に向ける。
何かを伝えたいのか？単なるため息なのか？僕には分からなくてどうしたらええか分からず煙草に手をかける。
「おばさんと会った時にりゅうちゃんの事を聞くことを最初は悩んだ。」
ライターの音が聞こえゆっくりと息を吐き出すと紫煙が漂い始める。
「最悪な事も頭に過ったん。」
微かに頷く僕はあの頃の現状をよくわかっている。
よろしくない状況だったのに僕は外を求めて病棟脱出していたんやから。
本当だったら、病棟から出る事どころか、廊下に出る事すら禁じられているのに、あの頃の自分にいうてやりたい。その反動で退院までの時間は相当費やしたんやで？わかってんのか？？って……ね。
「でも、聞いたら元気言うやん。会いたいって言いたかったけど……いつの話やって言われたら怖いし、ほんの数か月、会った回数なんて微々たるもんなのに知りたい？なんて言われたら……悪い方ばっか考えて聞くことも出来へんくて。」
「たつくんらしい。」
ため息を落とし
苦笑いを僕に向ける。
変わってない
気遣いをむっちゃしながら僕に話してくれていたあの頃を思い出す。
「りゅうちゃんはもう……よくなったん？」
疑問を告げられ僕は天井に紫煙を吐き出してから小さく左右に振る。
「よくなってないの？」
数秒考えてから首をひねってから「うーん。」なんて唸ってしまう。
「治ってはないんよな。」
「え？治ってない？」
「一応治ったとでも言えばいいのかな。」
「一応？」
僕はスマホを開いてタップしてからたつくんに渡す。
「ムズイ漢字や。」
「寛解(かんかい)って読むねん。完治はないけど一時的あるいは永続的に、腫瘍が縮小または消失している状態のことをさすねん。たつくんと会った時から1年後にこの言葉を言われてひとまず安心していたんやけど、高校入学前にまた……うん。」
どこまで話していいかほんま分からなくて僕は濁した言葉でしか言えなくなる。でも目の前にいる人は不安顔で今にも泣きそうな顔をして……逆にそれがびっくりする。
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kkoyanagi(プロフ) - は〜い(^^ゞきながに待ってます (11月9日 8時) (
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2023年6月27日 16時
