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「え？たつくん僕の1歳下？」

いつものベンチに座ってそんな言葉を言うとたつくんは口を尖らせて言う。

「背が低いからよく言われるねん。僕、これでも小3！」

「え？1つ下……1年生かと思った。」

「それ酷すぎる―！りゅうちゃんは……立ったら僕より高そう。」

「高いんかな？分からへん。ベッドは大人用だ。」

「じゃあ高い！」

子供同士の会話ってこんな感じ。
なんて思いながら僕はたつくんと話したいことを話していく。
たつくんのお父さんが来るまでの合間のほんの数分のやりとりでも僕にとっては大きな時間。

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1月2日。

たつくんは少し早い時間にその場所にいた。

「お父さんは？」

「仕事やねん。おばあちゃんが来るまでここで待っているん。」

「休みなのに仕事は大変やね。」

僕はそんな事を言うとたつくんはクビを傾げた。

「りゅうちゃんはなんで？」

「暇だから散歩。」

「暇？え？」

「テレビも好きなの見れるけど、お正月番組おもろくないやん。」

「確かに。」

「オカンたちが面会に来るの17時だから暇やねん。」

「15時……まだまだやね。」

「でしょ？看護師さんに声かけてスィーと出て来ちゃった。」

「それで大丈夫なの？」

そんな言葉を言われて僕はにんまり笑って言うた。

「アカンに決まっているやん。でも、長くいると結構許しを貰えて。」

「長く？」

「入院生活3年過ぎたん。」

「そんなに？」

「そう。でも、最初の頃よりいい感じ。」

別に悲しんでいるとかは一切ない顔で言うと、たつくんは尊敬のまなざしを僕に向けた。

「退院目指しているからね、そこはもう。」

「楽しみやね。」

僕は素直に頷くとたつくんは数秒考えてから言う。

「僕のオカンも退院できるんかな。」

「入院しているのはお母さん？」

その言葉にたつくんは頷いてからゆっくり息を吐き出してから言うたん。

「最初は違う病院に入院していて、そこは子供の面会禁止で画像だけでしか会えなかったん。」

「え？お母さんに会えないの？」

「禁止だったん。」

「酷すぎる。」

「なかなかよくならないから、ここの病院に転移して来たら面会できるでしょ？オカンに声かけてたまにしか反応ないけど声が届いているんだって思うとなんか嬉しくて。」

たまにしか……
つまりは……とっても大変な病気なんじゃない？

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