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結論から言えば、ヤスはしばらく仕事とダンスレッスンの忙しさでたつくんとの生活が難しいとなり、しばらく僕が預かることになった。
預かるって言うのもおかしいけど。
なんて思うたけど、ヤスの必死のお願いに嫌だと言えなくて僕は引き受けてしまった。

――――隆平は優しいな

多分、知らない人なら断る。

相手が相手やねん。

信ちゃんの呆れた顔が申し訳なく感じてしまう。

すぐにヤスが信ちゃんにお詫びの連絡をしたようで少しは機嫌よくなったけど。

「村上はなんやかんや言うてヤスに弱いねん。」

横山さんはそう言うてビールを飲みながら僕に教えてくれる。

「村上の最初の部下だし、ヤスも村上を慕っていたし上下関係があの２人はそこそこ出来上がってい
た感じだったんよ。だから、村上の移動聞いてヤスは納得していなくて一緒に移動するとか言い出したし、ヤスが社員からバイトになる言うた時は村上が文句言うてたし。そんな関係やねん、あの２人。」

僕の知らない２人。

濃い時間を過ごしているからこそ、一言あると全てがしっくり来てしまうのかもしれない。

「で、ヤスは時間かかりそうなんか？」

横山さんは空いたグラスをハイカウンターの上に置いてお代わりを声かけてから僕を見て来た。

「どうなんかな。違うショーに出たいからそっちのダンスのオーディションを受けたい言うてました。」

「あーーー、あれやな。」

流石、彼女さんと行くだけあってどのショーかすぐに分かったようで横山さん頷いているし。

「大スター様のショーやな、あれはハードよな。」

全く分からへんけど、横山さんは完全に分かっているようで新たに来たビールを飲んでから僕に教えてくれた。

「今、ヤスが出演しているのは２つ。時間的には短いけど回数は多いんやけど、夕方で終わるんよ。出来たら夜のショーに出たいんだろうな。」

「夜ですか？」

「パレード関係やって。海の方も国の方も夜のパレードって綺麗でな、それじゃないなら３０分しっかりのショーの方に行きたいかのどっちか。」

マニアすぎてわからへん。

「誰かが辞めるか抜けるかでそこに入りたいんだろうな。あの世界はシビアだから。」

どこの世界も自分の力で場所を勝ち取らなきゃあかんって事なのは緩く生きている僕かて分かる。

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