37 ページ37
.
「村上から連絡が来たで？」
休憩室で魂抜け気味の僕に翼を授けるドリンクをチラつかせて言うて来たのは横山さんで引きつった笑顔を向けてしまう。
「ゴチになります。」
「なんでそうなったん？」
「店のママの采配。」
「…………やり手やな。」
なんて言われて僕は苦笑いをしつつ、信ちゃんの優しさに感謝。
「信ちゃん何か言うてました？」
「ヤスのペースに負け、店の人に負けたみたいや。って、大笑いしていたで。」
「正解過ぎて何も言えない。」
「寝る場所ってあのロフトやろ？広くてよかったな。」
「ほんまそこだけが救い。広くて意味ないって思うたけど、こういう突発的な時にはあの広さは一番ええです。」
こっちに来てからずっと引っ越すことなく住んでいるアパート。
ロフトが無駄に広くて、トイレと風呂が別、今時珍しい隣の音が聞こえない快適過ぎて引っ越す気にもならなくて２回ほど更新している場所。
あのアパートで一番長く住んでいる人かもしれんと自負しておる。
「大人何人いける？」
「6人くらい？前に横山さんが来た時より荷物片づけたらそれくらい寝れると判明しましたから。」
「設計ミスとしか思えん作りよな。」
「僕も思います。天井が高いから2階じゃね？なんて思いますもん。」
ロフト機能がおかしいのも好きなんよね。１Ｒ部分が狭くてもロフトで賄える恐ろしさ。
「なので、ヤスの彼氏さんには少し距離置いて寝てもらいました。親が持って来た布団大活躍。」
グビっと飲んでから僕はスマホをチェックする。
「鍵はどうしたん？」
「貸しました。」
「大丈夫なん？」
「ヤスを信じていますから。」
僕の言葉に横山さんは「せやな。」なんて言うて缶コーヒーを飲んでいくのをちらりと見てからゆっくり息を吐き出した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kkoyanagi(プロフ) - は〜い(^^ゞきながに待ってます (11月9日 8時) (
レス) @page50 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2023年6月27日 16時
