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おかしい
この店には来るとことはないと決めていたはずなのに、なぜか僕はこの場所に座っているWHY？？状態。

「大変ねぇ。」

なんてママがしみじみ言う理由は一つしかない。
僕は伝言を届けに来ただけなのにお客として座らせられていると言う事実。
サービスの烏龍茶が置かれ、少し先のステージではあっち？そっち？もう分からないけど綺麗なお姉ちゃんが歌っているし、通るたびに笑顔で「いらっしゃい。」言うのもどっちか分からいけど綺麗な女の人です、はい。

ただ、待ち人待つのみ、ステイ状態。

「なんで……その、遥さんはスマホを持っていないです？」

思わずそんな質問を投げるとママはニッコリ笑って言う。

「喧して壊したのよ。」

実に逞しい行動で壊したんですね……って、違う。なら、買い替えとかなんとでもできるやん、なんでしないのよ、おかしいでしょ。文明に逆らうの禁止、ほんまに。

「遥ちゃん、そうでなくても電話でないでしょ？連絡しても既読すらならないでしょ？」

どこまで文明に抗うの？
マジに辞めて、ほんま。

「ヤスも大変だと思うわぁ。」

「ですよね、ですよねぇ。だから僕に伝言頼んできたんだと思います。」

「マルちゃんも大変。」

満面笑みのママ。

ご機嫌が悪かったら何されるか分からん。

ここは逆らうな危険の気持ちでおったん。

ムキムキマッチョ

ママの腕の筋肉。

どう考えても鍛えているのが見え隠れ。

「ヤスが忙しいなんて珍しいわね。」

暇人に思われているかもしれんけど、あの人のフットワークの軽さは半端ないと思うんやけど。仕事している時に『マッコリ飲みたい。』そんな事を突然言うて韓国に弾丸ツアーしている人やで？
今回もそれに近いけど、近すぎるけど。

「なんでお前がヤスの伝言頼まれるねん。」

背後から聞こえた声は低くお怒りモード

この席の後ろは通路だったん？

ビビりながら振り返ると……全身真っ黒の遥さんが降臨されていた。

「ヤスに伝言頼まれ。」

「あぁ？」

「さっき、預かりました。」

僕はポケットからメモを取り出し差し出す。

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