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「もう1泊したらいいのに。」
「なんで？」
「お父ちゃんが店で接客させる言うてたから。」
なんてオカンに言われて僕は苦笑いする。
「それだけは勘弁や。見習いさんの前で粗相するの目に見えてわかるやん。」
「そうかしら？」
なんて返事をされて僕はスマホをタップしていく。
「最近は便利よねぇ、スマホでちゃちゃでしょ？」
「ちゃちゃって。」
「あっちゃんもそうして電車乗っているわよ。」
「そう言うモノなの、今は。」
なんて笑って言うとオカンから渡されたのは紙袋。
「なにこれ？」
「お父ちゃんから。夕飯にって。」
「さすが。」
「まともな食事してないんじゃないかって心配していたわよ。少し痩せた気がするって心配していたんだから。」
「痩せてへんって。」
「本当に？」
「さっき検査で体重計ったら2キロ太っていてビビった。」
「あら、なんで痩せたように見えたのかしら。」
「年じゃね。」
「それ、お父ちゃんに言ったらはたかれるから。」
「それは勘弁。」
なんて笑いながら言うとオカンは安心した顔で言うねん。
「ちゃんと顔を出しなさいよ。」
なんて言われて『はいはい。』なんて返事をするとオカンは僕の左手をぎゅっと握る。
心配しているのは分かっておる。
でも、僕は自由に生活をしたいのもあったりする。
「冬までに1度戻るから。」
「待っているからね。」
ぎゅっと握り返してから僕はスマホを手に取った時やった。
「そう……思い出したの。」
「なにを？」
「たつくんに隆平の事を聞かれたのよ。」
予想外の言葉に僕はオカンを見てしまう。
「今更思い出すって。」
「なかなか帰って来ない息子だから忘れていたのよ。」
その言い方は酷いんやけど。
「たつくんにね、隆平はこっちにいるのか？なんて聞かれてね。」
オカンは笑ってから僕に言うたん。
「隆平は今、東京にいます。って。」
予想外やった。
社交辞令でたつくんは聞いたかもしれへんのに。
オカンは今の居場所を言うたんやから。
でもそれ以上の話はなかった言うんだからやっぱり社交辞令かなにかよな。
あの笑顔は久しぶりって言う意味。
10年以上前
ほんの数か月
ほんの数日
ほんの……
会えてよかった。
そう思いながら車窓から見える景色を眺めてからプルトップを開け一気にビールを飲んだ。
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kkoyanagi(プロフ) - は〜い(^^ゞきながに待ってます (11月9日 8時) (
レス) @page50 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2023年6月27日 16時
