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「かっこいい……車いす。」

「これ、レンタルやねん。」

「レンタル？」

「そう、買うまで行かないから借りているんだけど僕のは動かしやすいの。他の人は一般的な車いすだからよかったーってなったん。」

「確かに。あの、どこにでもあるのだと動かすの大変そう。」

「重たいよ、一度借りたけど無理やった。」

「動かしやすいのでよかったね。」

「ほんま。」

他愛のない話だけどなんか楽しくて僕はにこにこしちゃう。

次の言葉を言おうとした時やった。

「たつ！」

遠くから聞こえた声にその子は反応する。

「オトンや。」

そう言うて僕を見て言うねん。

「またね。」

軽く手を振ってその子は声の方に向かって走っていく。

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たつ……くん……言うんや。

僕がそう思った時と同時位やった。

「りゅうちゃん、そこにいたの？」

看護師さんの声に僕は返事を返す。その子は僕をまた見て手を振って、隣のお父さんが会釈してくれてなんだかほっこりした。

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12月31日の病院は静かでひっそりしている。

外来がないからやと思う。
今日はオトンもあっちゃんも来る言うから少し遅めいうてたな……なんて思いながら看護師さんと一緒にコンビニ行って閉まる前に買いたい飲み物をゲットして一人でエレベーターホールまで進んでいる時やった。

あの子がまた座っていて僕を見つけてニッコリ笑ったん。

「会えた。」

なんて言うねん。

「こんにちは。今日もお父さん待っているん？」

なんて僕が質問すると素直に頷いたん。

「たつくん？」

なんて僕が思わず聞くとニッコリ笑って頷いた。

「うん。オトンのあの大きな声でわかるよね。」

少し照れたように笑ったから僕は言うたん。

「僕、たつくん呼んでもええ？」

なんて言うとコクコク頷いてくれた。

「きみは……りゅうちゃん？」

たつくんは小さい声で言うから僕はびっくりした。

「そ、そう。」

「看護師さんがりゅうちゃんって声をかけたから。僕も呼んでもいい?」

僕は素直に頷くとたつくんはニッコリ笑ってくれたん。

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