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大きいお寺さんあるあるなんやけど、施設使って大きな法要はうちだけ。施設なしで坊さんにお経唱えて終わらせるシンプルな法要が何か所である。だから他の家族さんが喫煙スペースや休憩室を使っていてもおかしくはない。

知らない家族さんと顔を合わせるのも何ら普通。

「クソダル。」

なんて口にして入ってきた人はめんどくさそうに椅子に座ってタバコを銜える。法要には似つかわしくないと言われがちな薄めのサングラス。
実際は日差し軽減タイプのあれやって分かる人は分かるやつ。

すぐに吐き出した煙。

誰かを探しているかのような顔で別の人が入ってきてこちらに気づいて会釈をしてから文句を言った
人に言うたん。

「忠義、おじさんが探していたけど？」

「１本くらい吸わせろ。って、言うの。」

「施主は息抜きしている暇ないんだって。」

「あぁ？時代遅れちゃう？」

……この声、聞き覚えあるんやけど。どこで聞いた？

仕事？いや……ちゃうな。

「トイレとでも嘘言うといて。」

「それはバレると思う。」

「人がいて無理やったから、デカいのしたくて。これでええやん。」

「マジ？」

「マジ、健人が言ったらみんな納得するし、頼む。」

言われた相手、困った顔して出ていくのを思わず見てしまう。

「お兄ちゃん、そろそろおじさんに言われる時間だって。」

あっちゃんの言葉に2本目の煙草を押し付けてからポケットに入れていた小さなペットボトルで喉を潤してから喫煙スペースを出れば少し先にいるオカンに声をかけられ、立ち話を少ししている時だった。

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「たつくんじゃない？」

オカンがそんな言葉を言う。

え？？たつくん？

え？

振り向くと、さっき悪態ついていたお兄さんで驚いた顔でオカンを見ている。

数秒？いや、実際は短いけど長くも感じで彼は数回頷いてから「おばちゃん、久しぶり。」なんて急に笑顔を向ける。

「久しぶりねぇ、いつこっちに？」

視線が僕に向けられたのは気のせい？

サングラスのブリッジを軽く上げて視線を一瞬だけ宙に向けてから彼は笑顔を再度オカンに向けた。

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