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「…………はい、担当者がお伺いいたします。お待ちください、大丈夫ですよ、はい、はい。」

１つの電話を終わらせてから僕は記録用紙に記載していく。

至急と言うクリップを止めて上司に確認ボックスに入れると早々に次の人が受け取り流れ作業開始される。インカムを少しずらしてからお茶を飲んで次の急ぎの対応が来るまでは作業の手筈がどうなっているかパソコン画面で確認をしていく。事故がないのが一番やけど、損害保険は事故あってナンボの仕事もあったりして僕はマウスを操作しながら進捗状況を確認していく。

この仕事にやりがいを持つかというたらそこまでやし、この仕事で食べていきたいと言うのもない。

ただ単に新しい仕事を探す気なんてもっとないからこうして1年、2年と経過していくんやって。

「なんやその顔？」

社食で急に声をかけられ僕が顔を上げると横山さんがおった。

「この時間に珍しい。」

「さっきまで会議や。」

「大変、僕はそれが嫌で社員になりたくないんです。」

「そのうち、バイトの頂点に立たせてやるから。」

「絶対拒否。そんなんしたら強制会議やん。」

「マルならええ仕事してくれるだろ？」

「全力で拒否しまーす。」

目の前に座り両手合わせてからコンビニ袋から出したのはサラダと社食のうどんと言う組み合わせ。カロリー気にしていると言う割にはうどんは大盛だから違う気がするんやけど。

「ヤスの相手に会ったんだって？」

「その情報は本人からですね。」

「正解。マルに謝って言うて来てな。」

「気にしなくてもええのに。」

僕はそう言うてスマホを置いたと同時位にうどんを啜る音が聞こえ冷えたお茶を飲んで頭の中でこの後の予定を考えている時やった。

「相手さん無口だから。」

「無口と言うより毒吐かれましたよ。」

「まじか？」

「頭悪いと言われました。」

瞬間、察し……そんな顔をしたから鞭を尖らせたら「ウソウソウソウソ。」と全力で訂正してくるんだからイジワルや。

「俺も一度会ったけど、毒吐かれた記憶あるな。」

「え？横山さんも？」

「俺の時は『日に当たらないで偉そうにしているから頭が動いてない。』ってな。」

いつ会ったか知らんけど、納得顔したら横山さんから引きつった笑顔向けられた、軽いホラー。

「あの毒吐きで美容師やったんやって。」

「はい？」

「美容師。」

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