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「安田パイセン知っていますね。」

「彼女の事？僕ね、もともとはここの会社の社員だったの。」

「え？」

「そう、でもちょっと色々あって社員はやめて自分の進みたい道にシフトチェンジした時に送り出し
てくれたのが横山さんの彼女なんよ。」

人に歴史あり

そう思いながら頷いてから横山さん見ると撃沈継続中。

「で、マルちゃんのお相手は誰？」

すっかり話が反れたと思っていたら振りかぶって戻って来た。

「てっきりノンケさんと思ったら違ったの？」

きゅるるんお顔で言われて僕は何度か頷いて逃げようか本気で思った時に横山さんはボソッと言うたん。

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「村上。」

その言葉に安田パイセンが「はい？？？」どこから出た声？位の高い声。

「今、何て言うた？」

「村上や、村上。」

「…………む、村上？？嘘、あの、あの？」

「ははははははは……」

なんて非常に困った顔で笑うしかなかった。

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横山さんの同期入社

安田パイセンも名前は知っていると思う。

いや、もしかしたら仕事を一緒にしたかもしれへん。

何事も全力で立ち向かう猪突猛進していく人が今の僕の恋人だなんて……彼こそがノンケに思える人なのになんで僕を選んだのか真面目に分からへん。

―――――付き合ってや

忘れもしない

バイト先の懇親会のフットサルを見に行った帰り道に突然言うて来たこのシチュエーションにこだわりを持つ信ちゃんは僕の会社の人だと。

どこで僕を良いと思ったのかマジに分からなくてずっと悩んでいた。
本社から来ている村上さん……つまり信ちゃんが良く僕の仕事のフォローをしている人だったと。交代している人が信ちゃんなて気づかないし、もっと言えば電話交代してもすぐに次の架電対応で話す暇なんてないけど見ていたらしい、僕の事を。言いなさい!って、思うたけど、まぁ……今はこうして仲良くお付き合いしているならいいかって思ってしまう。

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