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「ロビーの人の多さとどこにいればいいか分からなくて座っていたみたい。」

「えぇ！こんなに寒いのに？」

「一人で来たらどこにいればいいか分からないでしょ。」

「そうやけどあかんやん。」

「ロビーから少し外れた場所にベンチがあるからそちらに行くと静かだから。って、教えてあげたから。暖かくて風邪ひかない場所。」

「さすがオカン。」

「りゅうちゃんが見つけなかったらあの子風邪ひいてたわよ。鼻水垂らしていたから。」

「あーーーー、鼻水は危険。」

なんて話ながら僕はエレベーターホールに辿り着く。オカンがIDをかざしてエレベーターを呼びほんの数秒で到着する。

「また明日ね。」

なんて声をかけてもらい僕はエレベーターに乗り込み目的の回数を押す。

お手ふりをしてドアが閉まる。

9階まで停まらず進むエレベーターが到着してエントランスに出て僕はちらりと外を見る。

「雪や……」

思わず出た言葉

あのままあの子が座っていたら完全に凍っていたかもしれへん。なんて思いながら僕は病棟の自動ドアを開けた。

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入院生活ある程度経過するとベテラン枠になっていくんよね。

長期入院する人はナースセンターの奥の方に配置されて、手前は短期入院の人。
幼稚園や学校に通えない子の為に院内教室があって勉強ができるようになっていたり、DVDレンタルあったり本の貸し出しまでそれなりに楽しめるようにはなっておるけど、ゲームは貸出対象外やねん。

「あっちゃんが邪魔する。」

なんて不満な口調で言うとオカンは笑って言うねん。

「通信で対戦するからそうなるんでしょ？」

「僕がしているのにあっちゃんがゲームに入ってくるのはアカンでしょ？」

「お兄ちゃんと遊びたいんでしょ。」

「ゲームオーバー誘ってきて嫌やねん。これで遊びたいん？」

なんて言うとオカン大笑いしてくるんだからマジで平和やって思う。オカンは毎日来てくれるけど、妹のあっちゃんとオトンは週１～２で来てくれる。来るのだって大変やと思うけど、僕は面会がほんまに嬉しい。

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