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――――モトカノが忘れられないんちゃうか?
信ちゃんはそんな事を口にしたことあったけど、ほんまか分からん。
女の人が好きだって空気は確かにあるけど、男も興味ありそうな空気をたまにだすんよ。でも、それは信ちゃんに対してだけなのか、他におるのか分からへん。
「横山くんに彼女おったんかな?」
突然ぶっこんで来た言葉に僕はポカーンとした顔をしてヤスを見た。
「え?だってさ、だってさ、その時間に出かけているならきっと朝に帰って来ているんだろうし。」
「確かに。」
「店に来ていた時にそんな気配は?」
「ナッシング。」
「じゃあ、酒飲みか。」
「オールで?」
「あるんちゃう?僕らに話せない内容がそこに存在していたら。」
「和菓子も大変なんかな。」
「みんな大変やろ。僕だってマルだってそれなりに大変やん。自分の性癖もそれなりに。」
「……急にそれ言うんですかヤスよ。」
「そうやで?マルはどうやってシてるん?」
「急にデリケートな内容ぶっこんで来た。」
「何となく。」
けらけら笑って言う言葉ちゃうし。もう、恥じらいとかないんかこのやんちゃ少年さんは。ヤスはグビっと飲み干した新たな飲み物を注文してからスマホを取り出し操作して僕の目線に入るように置い
た。
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「え……」
「大倉。」
「え?」
「こないだ見つけたん。」
「こないだって、こないだ?いつのこないだ?それより突然すぎて僕の頭がパンクしているんだけど。」
「4月に京都で発見。」
「はい?いつ行っていたの?」
「ちょっと気になる人と日帰り旅行。と、言うたらお洒落だけど、信ちゃんの付き合いで。」
「はいい??信ちゃんとなんで?」
「神社の絡み。」
「あ……あった。あの時、ヤスが一緒に行ったん?」
「おじちゃん行けないって言うから僕が代わりに。お供で行くなら参拝したい寺があるからその時だけ別行動で。少し足を伸ばして出た先に、おった。」
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瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。嬉しい言葉です。中だるみするかな?そう思いながら日々更新しています。これからも宜しくお願い致します (2022年12月2日 16時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。わくわくが止まりません。 (2022年12月1日 17時) (レス) @page42 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 コメントありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです。まだ続きそうなのですが、これからもお付き合いくださいませ。 (2022年12月1日 15時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - いつも楽しみにしています。話の展開がワクワクしてきました。これからもよろしくお願いします。 (2022年11月30日 19時) (レス) @page41 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2022年10月24日 16時