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積もる事のない雪
チラつくだけ
バイクを止めてから首をすくめ店を見ると今日は早めの１８時閉店だったのを思い出す。事務所の明かりを確認してからタイムカードを押しに入ると遠くから声が聞こえる。
「おそかったな〜、お疲れ。」
「茂ちゃんか。遅くなってごめん。」
「大丈夫やで。こっちもさっき帰ってきてこれから打ち合わせ兼ねた飯会これからやし。」
「元気やね。」
「仕事やで一応、催事話も兼ねてや。忠義はどうするん？」
「１９時から授業。」
「あ……今日は水曜日か。」
「そうなんですよ。バイク後で乗るかもしれないから止めといてええ？」
「雪チラついてるもんな。」
「そうやねん。やばいなって思うたら置いて帰りたいし。明日の朝に乗って来れないと困るし。」
「路面凍結の可能性高い。」
仕事道具をロッカーに入れながら授業道具を詰め込んでから置いたままのペットボトルをリックに押し込んだ。
「なに？」
「いや……おばさん生きていたら喜ぶんちゃうかなって。」
「母が？」
「そう。向こうにおったらこの道には進まないやん。」
「確かにそうやな。」
「小さい時の忠義はこっち興味ないって感じやったし。」
「どっちも興味なかったし。子供の時の夢は地味に公務員でしたから。」
「なにその夢。なぜに公務員？」
「幼稚園の先生に公務員の良さを力説され真に受けていた。」
「その先生の力説が凄いわ。」
「それな。でも、父の仕事も嫌だった、正座が辛くて足痺れるのが嫌いやった。この仕事もしたいとはならんかったなぁ……ハチが怖かったん。世の中分からへんよね。」
「ハチな……確かに。」
「遅れるとあかんから行くな。」
「また明日。」
外に出ると冷えた風が襲ってくる中、俺は足早に専門学校の方に向かって行く。
毎日が忙しい
この生活は何も考える暇なくて一番いいと思う。
金を稼ぐことに必死になっていた時に似ているこの忙しさがちょうどええ。
考えれば考えるほどつらくなるのはこりごり。
机上の論理を学びながら生き方を変えようって急に思うのは……３０歳に近づく前だから？
急に変わった生き方に俺は必死に食らいついていく。
母のような間違いをしない。
あんな目に二度とあってたまるか。
自分の幸せをここで手に入れなきゃ意味ないねん。
不要な過去は必要ない。
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瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。嬉しい言葉です。中だるみするかな？そう思いながら日々更新しています。これからも宜しくお願い致します (2022年12月2日 16時) (
レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。わくわくが止まりません。 (2022年12月1日 17時) (レス) @page42 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 コメントありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです。まだ続きそうなのですが、これからもお付き合いくださいませ。 (2022年12月1日 15時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - いつも楽しみにしています。話の展開がワクワクしてきました。これからもよろしくお願いします。 (2022年11月30日 19時) (レス) @page41 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2022年10月24日 16時
