Ａ／Ｌ 4

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時計の針は進む






1日はあっという間







人の記憶も
心に受けた傷も
噂話も
何もかも
あっという間に過ぎていく。








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伝えた言葉も時間が経過すればなんの効力もない。









案外覚えているのは……体に刻み付けた傷だけ







ヒリヒリと痛む









３０歳になれば何か変わると世間で言うけど俺自身全く変わることはない。
ただ、母が生きていた年齢を越した
それくらいしか頭には浮かばない。





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「却下します。」


ファイルを閉じて言うと、納得いかない顔でこちらを見て言うねん。



「どうしてです？」



「いい話やと思うけど、うちにメリットないやん。」



「名前が知られルことは大きい。」



「そうやけど、剛先生が素直に引き受けるとは思わへん。」



「だからそこを大倉くんが。」



「残念ながら俺でも無理です。」




きっぱり言うと納得いかない表情される。





さすがにこればかりは身内の話でも受け入れることが出来へん。







「個展のついでには無謀やって。経費削減できる言うても絶対この金額以上かかるのは目に見えてわかるから、もう少し考えてから話を持ってきて欲しいんですよね。」





「一度で済ませたほうが絶対いいと。」





「その考えは分かりますけど、剛先生がしてくれなかったら無意味。」






ぴしゃりと言うと、それ以上の言葉を言うことなく相手が引いて話は終わる。





「また来ます。」






引き下がってくれて安心したと言う表情になったと同時位に別のドアが開いてのぞき込んできたのは茂ちゃんやった。



「あの人が素直に折れた……自分で決めたことごり押しする人なのに。」




「無理なものは無理。1回で済むから言われても準備とか足し算したらかなり負担増すから無理。」



「剛が素直にするわけない？」




「しない。段取り見たら絶対しない、また機嫌損ねたら俺がしんどい。」






椅子に座り目の前のパソコンに表示されたのは３か月先の予定で茂ちゃんは確認しながら言う。











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