Ａ／Ｌ ３

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嫌な予感は当たる。

あの日感じた『帰って来るよね？』を口にした時の表情。

僕の予感は予想通りになり、グループLI○Eに投下されたメッセージと退出しました。そう表示された文字を見てどこかで悲しみが大きくなっていく。


――――考えたら、俺ら大倉の事を知らな過ぎたな。


ぼやくように言う信ちゃんは酒を飲み思い出すとそう口にする。




4人で飲んでいたのが5人
5人で飲んでいたのが4人

戻っただけと誰かは言うかもしれない


少しだけ違うんよ。

気が付いたら仲間にしたって言い方はおかしいけど、スムーズに僕らの輪の中に入った大倉と言う存在は大きかったんだって。







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築10年未満、1人目、２人目のオーナーの丁寧な生活で新築に近い現状。
住宅街で駅から離れているけど交通の便は悪くない。
カーポートもしっかり対応。
庭の手入れもしっかりされている。


東山先生から託された物件は前住人の希望でうちの店が対応。

売り物件で公開したらトントン拍子でオーナーが決まった。

アイツは戻ってくることはないんや……


鍵の引き渡しの時にそう感じる寂しさ。

作業部屋言うてた店に近いマンションもいつの間にか引き払われていて次の居住者が決まっていたのをネットで知った。

気が付けば気が付くほど大倉の存在が消えていく。







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「ヤスくん先生、見てください。」


いくら何でもストレスたまっておるからって夜のお店でお兄ちゃんに癒された現場を僕に見せてくるってなんでしょ？
なんて思いなが写真を見ると、表情が揺らぐのは背後に写っている光景のせいで僕は先生に店の場所を聞いた。


男の人は対応してないんです。

なんて言われたけど、知り合いの話をするとオーナーさんと長く店に一緒にいた人が開店前の店内に入れてくれた。来月には写真を片付ける話になっていたから僕が来て相当驚いたみたいだけど。

「辞める連絡って？」

こんな質問をしたらあかんのかもしれへんけど、彼は言う。

「退社の連絡が来たのは休み明けすぐだったかな。客にも連絡していてスムーズ……こんな言い方したらだめかもしれないけど、手際良い退社の仕方。」

枯葉笑ってそう言うとため息を一つ。


「ちゃんと挨拶したかったって。そう書いてあって、なら来いよって感じよな。」


誰だって思う言葉を彼は言うた。
僕らも同じなんです。
なんて言いたかったけど、それは言わず店を出た。
大倉はカイとしての仕事も終わらせていたんやって。

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