105 ページ5
.
「お待たせしました、12個入りが3つと8個入り１つ5個入り1つですね。」
なんで言われたものを買って帰るんだ俺……
イトコの命令は絶対！年功序列が染みついている証拠よな。
「僕はいつまで荷物持てばええん？車を出して東京駅まで……ま、まさかここからどこに連れて行くの？」
「連れて行かへんって。」
そう言うて2つに分けてもらったお菓子の一つをマルちゃんに差し出す。
「ん？？」
「連れて来てくれたお礼。」
「お、そんな優しい事を？どうした？」
「酒抜けて即運転させたから。」
「アルコール検査でも引っかからないレベルまで落ち着いておるから。」
「その言い方が怖い。」
受け取って中身を見てにんまりするマルちゃんを見てから時計を確認する。
「でもなんで、帰るん？勘当された実家ですよね？」
「イトコからだからまたちょっと趣旨が変わるんかな。」
「新年のご挨拶ならメールでするのが最近なのに。文明が追い付いてない？」
「追い越して一回りして戻ってきた言い方はアカンでしょ。」
「あら、おかしいかしらん？」
なんて笑いながら新幹線の方に一緒に歩いて行ってくれる。元旦だからそこまで混雑はしていないん
やけど、それなりにホームに人はいて指示された新幹線の乗車位置に並ぶとマルちゃんは紙袋を俺に見せて言う。
「ゆうちんと食べますね。」
「こっそり食わないと信ちゃんに見つかったら終わりやで。」
「そうやった。あの人の嗅覚凄すぎやねん。」
「美味しいもの察知するの？」
「そうやねん。ヤスも凄いんよね。」
「結局みんな嗅覚凄いんやん。」
「そうともいうー。」
なんて笑って言うているとマルちゃんは急に真顔になって俺に言うたん。
.
「帰って来るよね？」
「なに……急に。」
「何となく、そんな空気？いや、そんな感じ？」
「家を放置していくわけないやん。」
「そうやけど、なんか大倉がお菓子を買ってくれたから。」
「待って、まって。お菓子を買ったらそうなるん？」
「あら違う？」
「違うわ！」
「そうだよねぇ。なんで僕そんなこと思ったんやろ。」
ポツリと言う言葉に俺はクビを傾げてから素直に言う。
「分からへん。そんなにしんみりしていた？」
「してへんなぁ。」
「気のせい。」
なんてマルちゃんの肩を軽く叩いてから言うたと同時に新幹線のドアが開く。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。動き出しました。やっと、ここからどう動いて行くのが4でもよろしくお願いいたします。 (2022年10月23日 22時) (
レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - わわわわ💦動き出しましたね。本当に楽しみです。 (2022年10月22日 10時) (レス) @page50 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。ゆっくりですが楽しんでいただけたら幸いです。 (2022年8月4日 14時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。泣顔頂きました！ (2022年8月4日 14時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - 彼はどこに？続きが楽しみです。 (2022年8月3日 17時) (レス) @page7 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2022年7月19日 16時
