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「ジャージだからええけど、着替えたら腹が出てそうで怖い。」
煙草を銜えてそう言うと隣でむっちゃ笑いを堪えておる人いますけど。
「信ちゃんの愛情やって。」
「愛情偉大過ぎてマジにびっくりしたんやから。」
「信ちゃんだもん。」
きっぱり言われた言葉に返事が出来ません。
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「横山くんとヤスは?」
「信ちゃんの話を聞いているみたいですよ、僕逃げたから分からへん。」
「永遠ループの?」
「そうそう。神社について熱いトークしています。」
「聞いてあげたらええのに、マルも。」
「こないだサシ飲みした時に3時間聞かされたもん。」
それもそれで逃げ道なくて嫌やな。
視線を天井に向けて吐き出してから仕切られた喫煙所にある時計に目を向ける。
あと30分したらここを出なければならへん。
「大倉の勤めている店のホームページ見ましたよ。」
「え?」
「信ちゃんと何となく。」
「何となく見るモノやないやん。」
「でも、見ようかって話の流れで。」
マルちゃんはそう言うて俺に言う。
「誕生日にイベントとか大変ですね。」
「俺はそこまで大変やないで。」
「そうなんです?」
「大変なのは周り。イベントで収益上げなきゃあかんから結構な騒ぎになるし。上にいる人は客を呼んで自分の客の多さ見せたりするけど、俺はそこまで思ってへんから。」
「それで大丈夫なんです?」
そんな言葉を言われて苦笑いしてから「あかんよ、ほんまは。」なんて言うとマルちゃんは驚いた顔をした。
「もっと客を集めなきゃあかんのも分かっておるん。でも、潮時だからって言うのもどっかにあって控えたいって言う気分。」
「それは仕事を変えたい?」
その言葉に頷いてから灰皿に灰を落とした時やった。
仕切られた喫煙所はガラスの壁で覆われて外からは誰がそこにおるか分からへん。出入り口の部分からしか見えない、愛煙家には優しい造り。そんな場所のドアが開いてマルちゃんは驚いた顔をしてからニッコリ笑った。
「あら、こんな所で?」
店で聞く声のトーンはドアを開けた人に向けての感じだって言うのが分かる。
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瀬奈(プロフ) - 猫さま コメントありがとうございます。g_t_165です。頻繁には更新してはいませんがこちらになります。申請してくださいね。 (2022年6月27日 17時) (レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - はじめまして いつも作品をありがとうございます 失礼ですがTwitterのユーザーを教えてもらえないでしょうか? 急にすみません😢⤵️⤵️ (2022年6月26日 19時) (レス) id: 537de6aadb (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 コメントありがとうございます。ワクワク・・・そ、そんな恐れ多い。これからも楽しんでいただけるようにがんばります。 (2022年6月12日 11時) (レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - 更新ありがとうございます。もうもう更新の音がするたびワクワクが止まりません。 (2022年5月20日 19時) (レス) @page16 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2022年4月26日 15時