75 ページ25
.
「かわいい妹さんやな。」
「一番下で甘えん坊さんやな。」
「亡くなったのはその子の？」
「姉になる。」
ポツリと言うた言葉に横山くんは信号待ちになってから小さい声で呟くように言う。
「先生もずっと確信持てなかった言うてた。」
「ずっと会ってへんかったから。」
「そんなに会ってなかったん？」
素直に頷いてから俺は助手席から見える景色を眺めながら言う。
「何となく、居心地悪いって言うかなんて言うか。それで親と出かけると言われても避けていた感じ。」
そう言うと横山くんは小さく頷いてから言うたん。
「子供なりに気遣いしていたんかもな。」
「そうかな。」
「何となくだけど。」
曖昧な言葉でもそう言ってもらえるだけで救いになるもんで、あの時はこれが最善だった気もしたりする。新しい母親に素直になれない拗らせていた部分がでかいのかもしれへんけど。
.
車が横付けされたのは東山先生の家までほんの少しの場所。
「すいません。」
そう言うて深々と頭を下げた。
「なに、そんなんしないでええって。」
「車を出してもらったし。」
「次回、珈琲奢ってくれたらそれでええで。」
その言葉に俺は笑ってから頷いた。
「お言葉通りに。」
ドアを閉めた時にすぐに窓が開く。
.
「大倉。」
横山くんの声に俺は振り返ってから息を吐き出す。
「話し終わったらグループLI○Eしてな。」
「分かりました。」
「じゃあ。」
そう言い、横山くんの車が進んでいく。もう一度頭を下げたのはここまでしてくれる人に感謝を伝えたいから。少し歩けば以前も来て驚いた家に入る前に小さな門があって俺はそこを開けた。同時位に
玄関のドアが開き半泣きの……妹がそこにおった。
「ごめんな。」
そう口にしたと同時に妹は俺に抱き着いて大泣きを始めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬奈(プロフ) - 猫さま コメントありがとうございます。ｇ_t_165です。頻繁には更新してはいませんがこちらになります。申請してくださいね。 (2022年6月27日 17時) (
レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - はじめまして いつも作品をありがとうございます 失礼ですがTwitterのユーザーを教えてもらえないでしょうか？ 急にすみません😢⤵️⤵️ (2022年6月26日 19時) (レス) id: 537de6aadb (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 コメントありがとうございます。ワクワク・・・そ、そんな恐れ多い。これからも楽しんでいただけるようにがんばります。 (2022年6月12日 11時) (レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - 更新ありがとうございます。もうもう更新の音がするたびワクワクが止まりません。 (2022年5月20日 19時) (レス) @page16 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2022年4月26日 15時
