53 ページ3
.
「それ……つらい。」
「日曜日の前だと修羅場。大人になってからやで、あいつらに祝ってもらってから楽しいって思うたの。」
「大人で知る楽しさ？」
「遅いけど楽しいからな。まぁ、ええねん。」
横山くんはそう言いながら３人の行動を見て笑ってマジに楽しんでいる。
「1週間違いって言うのも何か縁を感じるな。」
「俺も思いました。」
「単なる喫茶店の客同士、気が付けばここまで仲良くなるって相当やで？あの店がそうさせておるんやと思うけど。」
「マルちゃんから聞いたんやけど、横山くん吹奏楽におったん？」
「あ？おった。文化部なのに体育会系の部活でハードやったな。」
「なにをしていたんです？」
「トランペット。」
「……かっこいいやつや。」
「トランペットで食っていくなんて無理やって大学２年で気づいた。上には上がおる、頑張って上り詰めたとしても需要はそこまでない。なら、趣味で止めとくべきやって。」
「現実的。」
「多少高校の時に気づいていたけど、どこかで周囲より出来ているって過信していたんよ。俺なら大丈夫って言う変な自負もあったんよね。大学で楽団見学していくとそれだけでは食べていけないと言う現実と周りの腕前を見たら早めにけじめつけなあかんって思うてな。それが正解だって思えたのはここ最近。」
「最近？」
「それまではくすぶっていたん。すっぱり辞めたけど、どこかで道を間違えたんちゃうか？結構悩んでいったんやけど、あいつらを見ていたら間違ってなかったな。そう思えてね。」
.
考えたら、和菓子の話以外でこうして横山くんと話すことなんてなかったから変な感じなんやけどね。でも、知らなかったことをここで知るって結構嬉しかったりするわけで。
「あ……信ちゃん起きた。」
思わず出た言葉に横山くんは笑い珈琲を飲んでから言う。
「ヒナはなにしているんだか。」
その口調はいつもと少しだけ違うって感じたのは楽しそうに口にしたからかもしれへん。
仲間に入れてもらえてよかった。
なんて、俺は思いながら珈琲を飲んでいた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬奈(プロフ) - 猫さま コメントありがとうございます。ｇ_t_165です。頻繁には更新してはいませんがこちらになります。申請してくださいね。 (2022年6月27日 17時) (
レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - はじめまして いつも作品をありがとうございます 失礼ですがTwitterのユーザーを教えてもらえないでしょうか？ 急にすみません😢⤵️⤵️ (2022年6月26日 19時) (レス) id: 537de6aadb (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 コメントありがとうございます。ワクワク・・・そ、そんな恐れ多い。これからも楽しんでいただけるようにがんばります。 (2022年6月12日 11時) (レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - 更新ありがとうございます。もうもう更新の音がするたびワクワクが止まりません。 (2022年5月20日 19時) (レス) @page16 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2022年4月26日 15時
