My landscape-5

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また……失うのか？



カメラを見るたびに怖さが隣にある。




コイツのせいで失ったものが多くて二度と触るものかって思ったのにまた触っている。










なんで……触っているんだろう。






なんで……シャッターを切っているんだろう。






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なんで？







なんで？






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答えなんて出ないのにこうしてカメラに向き合うたびに俺は後悔が続く。








どこで間違えたか分からない。










黙って先生の下で頑張っても努力しても認められない世界で生きていた方がどれだけか幸せだったのかも知れない。






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使い捨てされても好きな仕事を継続することを選んでいた方が良かったのかもしれない。








こんな息をひそめてカメラに向き合うよりもっとマトモだった？






どっちが正解か知らんけど。






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俺の選んだのがいつか【これが答えでした】なんて言われるわけもないのに。





俺の選んだのがいつか【これが答えでした】なんて言われるわけもないのに。







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「明日早いのに帰ろうって、大倉あほやろ？」


急に言われた言葉に「なんで？」なんて思わず言うてしまう。


「いいか、明日朝7時にここ集合だったら大倉は何時に家をでる？」


「6時かな。」


「お前絶対起きないだろ。」




何でこう断言されなきゃあかんねん。




いや、あながち間違えてないけど。起きれへんからオカンに起こされているなんて口が裂けても言えへんけど。





「これから帰る。何時に家着くねん？」




「……22時までにはつくはず。」




曖昧な言い方に横山くんは疑いの目。




「寝過ごしてこないだどこまで行った？」



「高尾山かな。」




「山登りには最適な時間でないのに、なんで山まで行くねん。」



「あの揺れに負けたんです。」






マジにびっくりしたよね、起きたら終点で目の前に山でしょ、人いないでしょ、最終で戻って来れたからええけどあのまんまだったら駅のホームで……恐怖。



「ホテル予約するか？」


「……いえ、寝ないで帰れます！」




疑いのまなざし全開で見てくるって悲しすぎへん？そんなに信頼なし？？






「俺の家泊るか？」




「……は？」



「俺の家。」



「それは……」




「社長命令。」






マジに悲しい命令をここでされた。

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