243 ページ43
.
「2人は【Jag älskar dig, från djupet av mitt hjärta】の意味は知っとる?」
僕は2人を見てそう口にすると左右に首を振るのは知らないと言う事で息を吐き出してから口にする。
「心の底から愛している。」
訴えた言葉は何を伝えたか。
この言葉は凶器に近い気がする。
2人が知っている彼は実はとんでもない人間かもしれない。
いや、違うかもしれない。
「事実は2人が守りたい人しか知らんけどな……、僕から言えることはこれだけや。確かに初歩的ミスはしていたかもしれへ。大倉さんにマメに連絡をしなかったあの当時は、僕もそれなりに忙しかったのは忘れないで欲しいけどね」
「そこは……」
.
消えそうな声で言う横山さんを見てから安田さんを見ると何かを口にしたいけど何も言えないって言う表情でおる。
「付け加えるなら。」
僕は2人を見てゆっくりと告げる。
「最近思ったん。僕ね、ゆゆちゃんを一番愛しているって言う事にきづいたん。いや、大倉さんだけど僕にとってゆゆちゃんが一番で他はどうでもええねん。だから、大倉さんになにかあったらゆゆちゃんに会えなくなる……つまりは僕の愛も消えてしまう。」
何を言っているって表情をする2人を見て僕はゆっくりと口角を上げる。
「僕は大倉さんも好きだけど、一番はゆゆちゃんやねん。」
.
歪んでいるのは僕なのかもしれない。
真っ青になった肌の色に飛び散っている紅色
今にも意識が消えそうなその姿を見て思い浮かべたのはなんでか分からへんけどゆゆちゃんだった。
あぁ……
僕はこの人の奥底にいるゆゆちゃんと言う人を愛しているんだ。
だから……
木村が書いたあの言葉を口にしていた。
一瞬で反応したあの瞳は忘れられへん
.
.
大倉さんだけどゆゆちゃん
ゆゆちゃんだけど大倉さん
.
愛しているんや……
こんな歪んだ形で気づくなんて僕は何を考えて……
.
あなたはわが目に尊く
重んぜられるもの
わたしはあなたを愛するがゆえに
.
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。無事に終わりました・・・一安心です。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年3月25日 15時) (レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - 完結本当にお疲れ様でした。素敵な世界でした。ありがとうございました。 (2022年3月24日 12時) (レス) @page48 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。聖書やスゥエーデン語は確かに分かりにくいですね、すいません。書いていてこれは許される?そんな愛でした。ライトな話が重くなりましたが、終わりにできてよかったです。次回もまたよろしくお願い致します。 (2022年3月23日 9時) (レス) id: e0b2c0462c (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 完結お疲れ様でした。正直、旧約聖書やスウェーデン語はよく分かりませんが。愛するが故に…愛するがため…その人を奪い尽くしてしまいたい…。いいですねぇ〜一息ついたらまた倉丸のお話書いてくれたら嬉しいです。ありがとうございました。 (2022年3月22日 15時) (レス) @page48 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瀬奈 | 作成日時:2022年2月12日 17時