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「大倉さんの学生の時凄かったんですね。」
そんな言葉を言われて俺は「あ……あれは……」なんて言う。
「亮ちゃんから写真送られてきてびっくりしました。」
送るなって言うたのに、送ったんや。マジに恨む。
「学生時代に見ていた雑誌の読モだったんですね。」
ニッコリ笑って言われると心臓がずきずき痛くてほんまにしんどいんですけど。
何とか座れる場所を確保して丸山先生に座ってもらい俺はベッドの上に座る、距離感は大事。
「なんで来たんです？」
俺の疑問に丸山先生は少し考えてから言うた。
「気になってしまい。」
小声で言われた言葉にそんなに心配かけるような何かヤバイのを送り付けたのか？そんな不安満載でいると、丸山先生は小さく息を吐き出してから言うた。
「亮ちゃんが写真を送ってくれたんです。」
「俺の？」
「はい。凄いですね、別人で驚きました。」
「化粧のお陰です。」
そう言うたけど心の中はぐっちゃぐちゃ。ゆゆちゃんを知っている人にはあの映像の中にいる俺を見てほしくないって思うのは本音だと思う。
―――綺麗は醜い
そう思えてしまうどす黒い世界だった。
あんなカオスな映像見て何が楽しいか正直わけわからんけど、松本先生の映像加工でどう変化するのか知らんけど。
「気になって。」
さっきも聞いた言葉をもう一度言う丸山先生を俺は黙って見ていくしか出来ない。
この状況はどうしたらいいのかもわからない。
「心配かけすいません。」
俺の言葉に丸山先生は左右に首を振ってくれた。
なんで来たんです？
気になっているって俺の事？
色々質問したいことが生まれてくるけど聞くに聞けない。
「先生に心配されるなんて嬉しいですね。」
何とか言えた言葉に丸山先生は少し恥ずかしそうに答えてくれた。
「いつもお世話になってますから。」
「手伝いですか？」
「えぇ、いろいろしてもらっているんでやっぱり申し訳ないって気持ちが大きくて。」
「別に大丈夫ですって。丸山先生は雇い主で俺はその通りにしているんで。」
「すいません、毎回毎回ゆで卵お願いして。」
「おかげで腕が上がりました。」
何て言うと丸山先生は「そんなに？」なんて返事を返してくれた。
たまにくる締め付けてくる痛み
ずっとずっと昔に経験したことある、あの痛みだって。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
