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「真っ赤やん。」
「言うな、マジに。」
「平手打ちってこんなに真っ赤になるんや。」
「マジで言うなって！」
メイクさんがアイスノンを持っていてそれにて赤くなった右頬を冷やしている状況で、RYOさんは現場を見て笑いを耐えるのに必死になっているし周りにいたスタッフなんてフリーズ。
「これ、明日仕事出来へん。」
「ちょ、それはあかんて。」
「こんなに赤くなったら無理だもん。」
「大倉、それなしやで！」
「なんで呼び捨てやねん。」
「お前が出来ない言うたんやろ。」
「言うたけど、呼び捨てちゃうだろ。」
「年上権限や。」
「まじ、それ言う？」
完全に子供の喧嘩並なやり取りに近くにいたスタッフさん笑いをこらえている。
「でも、フミカちゃんがああなるのも分かるよ、大倉くん。」
メイクさんがそう言うと俺は小さく息を吐き出してから言う。
「アイツが勝手に怒ってるだけやって。えっちゃんだってあの時の現場おったやん。」
「知り合い？」
RYOさんの声にメイクのえっちゃんは小さく頷く。
「俺が仕事していた時からお世話になっていた人。」
「えぇ！じゃあ、さっき色々話していた子も？」
「あの子は違うけど、大倉くんの事は結構うちらの界隈では有名だから。」
そう言われると正直、返事が出来なくなる。
「有名人って？」
むっちゃ興味津々の顔で言われて俺は小さく息を吐き出してから素直に応えた。
「読者モデルしてたん。」
「読モ？マジで？」
「高校生の小遣い稼ぎでしてた時にカメラ興味持って読モ卒業して専門行っただけ。別にそんなでっかい仕事もしてへんから。」
俺の言葉にど、こ、が？顔してくる……えっちゃんがマジに怖い。
「え？検索したら出てくる？」
「なんで検索すんねん。」
「隆平が喜ぶから。」
突然名前を言われて俺は返事がすぐに出来なくて「もうええやん。」なんて言うとRYOさんは笑ってスマホにネット検索開始始めた。
マジに今日はついてへん。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
