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いつもと変わらないはずなのに。
大倉の姿でない、ゆゆと言う姿だけなのに。
変な緊張がずっと続く。
心臓が変な場所に移動した気がする。
大丈夫か、俺。
「準備します。」
そう言うて俺は買い物袋から希望されていた夕飯のカレーの準備をさっさとしていく。一緒に食べるサラダと、明日の昼と夜の準備も同時進行。
丸山先生は落ち着かないようで「仕事の部屋にいます。」なんて言うて部屋に入ってしまった。
でも、その方が良かった。
なんで俺はゆゆでこの家に来たいって思ったんだろう。
なんとなく
いや、なんとなくちゃうん。
この謎の感情に答えを出したくて先生の家に来たけどやっぱり変な気持ちのまんま。
ある程度の準備が出来てから先生の仕事ベアをノックすると変な声の返事の後にすぐにドアが開いた。
「お茶入れます？」
むっちゃ焦った顔でいる先生は頷いてからドアを開けて部屋から出てきて言うたん。
「緊張しまくりです。」
「なんでです？」
「やて……大倉さんだけど、ゆゆちゃんとして僕の家にいるって夢を見てるんちゃうかなって。」
ソファーに座ってそう言うと俺はテーブルにカップを置いてから「大倉ですよ。」って言うけど、この姿で言うても正直ちょっと違うなって思う。
「どうしてゆゆちゃんで？」
そんな質問をされて俺は少しだけ考えてから口を開いた。
「先生が昨日、話してくれたじゃないですか。学生時代の話。」
「えぇ。」
「俺も学生の頃の話をって思ったんだけど、あんまり面白みがないんですよね。」
「別にええのに。」
丸山先生の返事に俺は少し考えてから答えた。
「店長にスカウトされてゆゆをしたんやけど、2回目なんです。」
「2回目？」
「1回、女装で仕事してたんです。」
「え？こういうお店とか？」
「ちゃいますよ。」
この話をする人は初めてなんやけど、ドン引きされへんかって不安があって俺は少し俯く。
「大倉さん。」
急に言われた言葉に顔を上げると丸山先生は一度頷いてから俺に言うたん。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
