検索窓
今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:39,763 hit

28 ページ28

.

「久しぶりのカメラに緊張しました。」


「ちょっと前まではそっちがメインだったじゃない。」




大笑いして言われる言葉ちゃうんだけど、でもそうなっちゃうよね。お姉さまには俺のバイト先を話している。





女装とは何ぞや?を、店長に相談した時にネイルをすべきだと言われて、この店に相談した。
広告代理店で勤務した時にお姉さまはメイクアップアーティストをしていた。そこから独立して店を出すって言う時に少しだけ撮影をした関係からの長いお付き合い。開店祝いでHPのトップ画はお姉さまが作り上げたネイルを撮影したので未だに使ってくれている。




「RYOの公式サイトに写真がUPされていたでしょ?あれ、大倉くんが撮影したなってすぐに分かった。」



「マジで?」




「普通の人と少しだけ角度違う撮影するじゃない。照明の光をいい感じに取り込んだり、そんな場面を撮る?とか。」




「先輩によく怒られてましたね、それして。」




「私は結構いいと思うんだけどね。みんな同じような写真じゃ無意味じゃない?」





「HPに使われていてよかった。撮影終わってカメラ渡して金もらってから音沙汰なくて。」





「横山の所で絶対止まっているから。」




「その言い方。」




「横山社長は忙しくて忘れるのよ、毎回それで大騒ぎなるんだから。」




「またあったんです?」





「いきなり今すぐ来て手伝って。これ、毎回だからね、横山社長。」






お姉さま怒らせるのほんまにやめて欲しいんやけど。横山くんの同期だから呼び捨てするし、何でも言えるお姉さまは人脈がものすごく手広いから毎回横山くんのミスをフォローする優しさ。本来なら怒られて終わりを難なく乗り越えているのはお姉さまのお陰。








Win-winの関係だからできるんだろうなって思う。





「大倉くんも気を付けたほうがいいよ。」




「仕事で?」





「昔を思い出して仕事しろって言われるかもよ。」





俺の表情が少し変わったのにお姉さまが気づいたんだろう。






「一番思い出したくないでしょ?」




「そりゃ、思い出したくないですね。」





「横山がミスって何かあったら呼び出されるよ。下手したらゆゆちゃんで出てくれって。」




「それだけは勘弁。」






笑って返事を返すと「でしょ?」なんて言われる始末。まさかこれが現実になるなんてこの時は思いもしなかった。





.

29→←27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
111人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瀬奈 | 作成日時:2021年3月23日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。